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インビザライン治療中の奥歯が噛見合わせが悪くなる【正体】

マウスピース型矯正装置インビザラインには、その特性から治療中に奥歯が一時的に上下が離れてしまい噛めなくなる事があります。

 

 

 

インビザライン 奥歯 噛めない

 

ワイヤー矯正治療をした事がある人なら食事のストレスは分かると思います。パスタとか葉物がブラケット装置にもう絡みまくりで、なんか食べた気しませんよね。さらにステーキなどお肉なんか・・・戦意喪失といった感じです。治療開始時は食事が億劫なりダイエットできます。でも半年くらいすると自然と慣れるてくるのが不思議なところなのですが。それに対して、マウスピース型矯正装置【インビザライン】は、食事の際にはを外せますから、治療中はとても快適(のはず)です。

マウスピース矯正は以下、商品名インビザラインと記します。

 

 

 

だんだん奥歯が噛めなくなる

インビザラインもワイヤー矯正と同じように歯が動いていますから、治療開始時はなんだか奥歯に力が入らず、浮いているような感じでやっぱり噛めません。そればかりか、治療が進むにつれて上下の奥歯の離れ具合が大きくなり、もっと噛みにくくなる事もあります。なかなか想像がつかないと思いますが、上下の奥歯の接触点が著しく減り、食べものが噛みづらくなり、普段も下顎の位置が何か安定していない感じになります。

 

 

この「奥歯が浮いている状態」を臼歯部オープンバイトといって、「インビザラインは治らない」と言われている原因の一つと言われています同じ0.5mmでも、隣の歯との隙間は気になりませんが、上下に隙間が開いていると、患者さんはとても気になります。

 

 

失敗

 

 

 

なぜ噛めなくなるのか?

この臼歯部オープンバイトが起こる一番原因は、インビザライン治療は上下の歯が直接噛んだ状態ではなくマウスピースを一層噛んだ状態で治療を進めるという事にあります。クリンチェックと呼ばれるデジタル上の予測データと実際の歯並び自体は一緒でも、噛み合わせは予測とは異なる事が多いと言えます。つまり、コンピュータでは、歯並びを予測する事ができても、噛み合わせは予測できないという事です。噛み合わせの再現には顎の動きのデータも必要になりますが、その機能データを治療計画に反映する事ができません。

 

 

また、マウスピースで矯正を行う場合は多かれ少なかれ、奥歯を動かす治療計画を立てると歯が歯茎方向に沈んでいきます。マウスピースは噛む面を覆ってしまうので、反対側の歯に向かって噛み合う方向に歯を動かす事は苦手なのです。ですから、奥歯を動かすと多少噛めなくなる矯正治療なのです。さらに、インビザラインはスマートトラックと呼ばれる独特の柔らかい素材である事も影響します。噛みしめ癖の強い方の場合は、奥歯に強く力がかかり、予想以上に歯が歯茎方向に沈んでしまう事があります。

 

 

 

対処法

予定枚数を消化しても、予定とは異なる噛み合わせになる事は結構あります。ただ、多くのケースをインビザラインで治療している歯科医院は、一時的に臼歯部オープンバイトになる事も治療計画に折り込み済みです。当院ではその後は以下のようにして対処していきます。

 

 

 

マウスピースの使用時間を減らし待つ

大きな奥歯の移動がない場合は、ただ待つだけで改善します。マウスピースを装着していない時間で、自然と上下の歯が噛み合ってきます。場合によって奥歯に部分マウスピースを薄く研磨したり、途中で切って分断させて使用していだく場合もあります。大体2か月程度で元の噛み合わせが戻ってきます。それ以降は変化は少なくなります。

 

インビザライン矯正治療後の臼歯部オープンバイト

<ある程度は、使用時間を減らすと噛んでくる>

 

注意点としては、マウスピースの使用時間をあまりに減らしすぎると、今度はせっかく治した歯並びの方が後戻りします。時々、ここで治療が行ったり来たりしてしまうケースもあります。ですから、フィックスリテーナーと呼ばれる固定式リテーナーを装着しておく場合もあります。

 

 

エラスティックをかけて近づける

上下の奥歯の隙間がかなりある場合は、エラスティックという輪ゴムを使用して、縦に強制的に引っ張って噛んでもらいます。合理的なやり方ですが長期間行うと歯ではなく、顎関節突起が押さえつけられ顎関節症を発症してしまいます。

 

<小さな輪ゴムで上下の歯を引っ張り合い>

 

リカバリーワイヤーを装着する

上記の2つの方法でも奥歯の浮いているのが改善しない時は、奥歯に「近心傾斜」といって前方への倒れこみが起きている可能性があります。この場合はワイヤー矯正装置によるリカバリーが必要になってきます。小臼歯抜歯ケースなどに見られる問題です。アップライトといって倒れ込んでいる奥歯を歯根から、再度ワイヤー矯正装置の力で起こします

 

<アンカースクリューも使用したリカバリー>

 

 

 

上記の3つの作業を行なっても、残念ながら改善不可能な事もあります。この場合、一般的な表側ワイヤー装置を歯並び全周に装着して再矯正治療を行なったり、すでに治療済みの被せてある歯を新しいものに作り変える方法を取ったりします。

 

 

 

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