【図解】症例集の正しい見方
症例集の正しい見方について解説します。
私達は他人の『良い歯並び』というのはある程度はわかるのですが、『良い噛み合わせ』というのはわかりづらいものです。そもそも、自分の歯並びを鏡で見ても上下の前歯を二次元的に正面から見る程度です。
という事は、『良い歯並び』という感覚自体も、限られた方向から見て「歯並びが揃っているな」と感じる程度の曖昧なものかもしれません。さらに『良い噛み合わせ』に関しては、本人が感じるものなので客観的に評価するのはとても難しい事になります。
この『良い歯並び』と『良い噛み合わせ』を作るのは矯正歯科治療の目的になります。これらを評価するには検査資料が必要になるのですが、中でも一番分かりやすいのは口腔内写真です。これは、ただカメラで撮影しているわけではありません。
実は専門的な規格写真で普通は見えない角度からミラーやフレームを駆使して撮影しています。歯科医師は矯正治療の研修で、最初に相当練習します。これは、きれいに写真が撮れていないと、矯正医も患者さんも治療を評価する事が難しくなってしまうからです。
口腔内写真でみる正しい矯正治療のゴール
口腔内写真である程度歯並びと噛み合わせは評価する事が可能です。みるポイントはいくつかありますので具体的に4つほどまとめてみます。
1上下の歯ができるだけ隙間がなく噛んでいる
上下の歯の接触面積は多い方が良いです。特に奥歯はノコギリの刃が合うように隙間なくギザギザに上下の歯がぶつかっている良いです。
2前歯の噛み合わせは上下・前後2-3mm
上下の前歯適切な噛み方は2-3mm重なっている程度です。この範囲を越えると実際に食事で前歯を使用して噛む事は難しいと言えます。
3前から見て左右対称の歯列
左右の犬歯から犬歯は前から見える部分ですので、左右対称の歯列が望ましいです。ただし骨格的なズレがある方や先欠歯がある方はカモフラージュする事もあります。
4上下正中線の一致
上下の真ん中の歯のラインの一致です。上の1〜3が崩れると最終的に正中線が揃いません。上の正中線はお顔の正中線とも合っている必要があります。厳密には下の正中線は1-2mmズレていても問題はありません。
これらの達成を目標に矯正治療を行います。当院はしっかり写真資料をとってご説明しております。また、しっかり前左右の3カットを掲載しておりますので(噛み合わせが甘い部分を隠したりしておりません)、よく治療結果がわかると思います。
是非、当院の症例集を見てみて下さい。