表側矯正装置

 当院では従来型の歯の表側に装着する唇側矯正装置も取り扱っております。可能な限り審美性の高い装置使用します。思ったより目立ちませんので成人の方も治療されています。

<唇側矯正治療のご予約状況について>
現在、ワイヤーによる矯正治療をご希望される患者様が増加しております。当院では、医院の治療レベルを落とさないために、基本的には平日通院の可能な方のみ治療を行なっております。

歴史のある治療方法は唇側ブラケット矯正

 歯の表側にブラケット装着する唇側矯正治療の歴史は100年以上あります。よって治療法が確立されているため、過去の治療例から治療結果がある程度保証されています。そして、専門家から見なくてはわからないレベルまで丁寧に治す事が可能とされています。ブラケット装置やワイヤーの材質や形状の進歩により、昔のような「痛い」「見える」「長い」といった悩みも大分減りました。お子さんを持つ保護者の方の時代の矯正装置から進歩しています。

 今はマウスピース型矯正装置や舌側矯正装置など様々な選択がありますが、これらは不得意なケースパターンがあります。特に上下顎前突(口ゴボ)などに行う上下小臼歯抜歯を併用した矯正治療には圧倒的に唇側矯正装置が有利です全ての歯並びに対応しており、難症例の治療にも向いていると言えます。

 また、成人女性の方で、唇側矯正装置を使用して治療を行なっている方は増えてきています。意外と見た目が苦痛といった意見もありません。院長自身もこの装置で治療をしましたが、まわりの目は全然気になりませんでした。もちろん年齢制限もありません。

矯正治療中も楽しんでもらうために

セラミックブラケットとクリアブラケットの違い
●同じ白いワイヤーを入れてた際の比較

 当院では、審美性が高いセラミックブラケット装置と白銀色のロジウムコーティングされたワイヤーを使用しています。この組み合わせはずっと矯正装置の白さを保てる組み合わせです。途中で黄色くなったり、コーティングの色がはげ部分が目立つ事などはございません。セラミックとは陶器の材料です。よく保険外の前歯の差し歯などに使われる審美的な材料になります。この陶材を削り出して作っているため、薄く小型で作る事ができます。

 よく混同するのがクリアブラケットです。クリアブラケットは簡単に言うと「ブラスティック製」です。セラミックブラケットと比較すると安価なのですが、経年的には摩耗してきたり黄ばんでくるのと、装置が歯から外れやすいというのが欠点になります。比べてみるとセラミックブラケットの方が白さが際立ちます。同じ白いワイヤー入れてみればキレイさは一目瞭然です。これは、ブラケット装置に対する光の透過性の違いが影響しています。

 せっかく矯正するなら良い材質のものを使って治療をして欲しいと考えています。少しでも装置に抵抗が少ないよう当院では高価な装置を使用しております。白い矯正装置・コーティングワイヤーを使用する事による費用加算はございませんのでご安心ください。

※治療使用する全てのワイヤーが白いワイヤーというわけではございません。必要に応じて従来型の銀色のワイヤーも使用いたします。また、ワイヤーを縛る結紮線は銀色になります。

唇側矯正治療はなくならない

 矯正歯科治療の発祥地であるアメリカでは、マウスピース型矯正装置のシェアが高まっています。本当にたった数年で、シェアが変わってしまいました。欧米では、歴史上「いかにシステム化して、楽に物事をすすめるか」が常に考えられ、実行されています。均一した規格を作り、大量生産をして、一定レベル以上のサービスを提供する。その最たるものがマウスピース型矯正装置とも言えます。これは矯正治療の産業革命とも言えます。

 最近では舌側矯正装置も同じようにデジタル化によりシステム化しています。口の中の内側というのは外側と比較して、操作領域が狭く細かい調整が難しいのです。システム化というのは、大きなデータベースを下に、平均して8割以上が成功するように作られます。ですが、システムに乗せて、全てのケースを合格点に持って行く事はできません。これはマウスピース型矯正を中心としたデジタル矯正についても同じです。一部の想定外ケースに対して、常に新しいシステムを作りますが、また一定の割合で適応外が出ます。結局、ある程度は個々にアナログで対応しなくてはなりません。この繰り返しです。

 そういう意味では、個々の患者さんに、歯科医師が毎回思考して調整を行うアナログ型の唇側ワイヤー矯正治療というのはなくなる事はないと言えます。矯正治療の学術団体である日本矯正歯科学会はこのワイヤー矯正の学会になります。

唇側矯正は抜歯矯正向き

 出っ歯治療は、唇側矯正装置による抜歯矯正が一番確実です。前歯を後ろに引く際の固定源となる歯科矯正用アンカースクリューとの相性も良いと言えます。もちろん、マウスピース型矯正装置や裏側矯正装置でも改善はできるのですが、全てのケースで使用可能です。

唇側矯正装置
唇側矯正・抜歯矯正
唇側矯正・抜歯矯正
唇側矯正・抜歯矯正

<症例概要>
主訴:出っ歯・噛み合わせ
年齢・性別:20代女性
住まい:千葉県八千代市
症状:上顎前突・過蓋咬合
治療方針:抜歯空隙閉鎖(最大固定)
治療装置:唇側矯正装置
固定装置:歯科矯正用アンカースクリュー(計2本)
抜歯:上左右4番・左下4番・右下5番(計4本)
治療期間:3年
リテーナー:上下プレートタイプ+フィックスタイプ

治療費用:968,000(税込)
代表的副作用:痛み・治療後の後戻り・歯根吸収・歯髄壊死・歯肉退縮

▶︎その他の副作用

 歯科矯正用アンカースクリューを使用し、抜歯を行ったスペースを全て前歯を引くことに使用しました。その分、治療期間は長くかかっています。

<表側矯正の注意事項動画>