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【最重要】精密検査のセファロ撮影とは?

■まきの歯列矯正クリニック 院長 牧野正志

セファロ写真

骨格や歯について多くの情報を得る事ができるセファロ写真は精密な矯正治療には必須deす

 

 

矯正治療を始める前の精密検査の中にレントゲン写真があります。そして矯正歯科専門医院ではセファロレントゲン写真(頭部X線規格写真)という写真撮影が含まれます。肩から頭の上まですっぽりとほぼ等倍にフィルムに写す方法で、横顔と正面と2方向から1枚づつとります。このセファロ写真は矯正治療の治療計画を立てるために大変重要な役割を果たします。

 

 

セファロ写真からわかる事

今は多くのレントゲンはデジタル写真のため、そのままデータを取り出しPCソフトにて読影・計測・分析を行います。

 

セファロ写真

<実際のセファロ写真を分析した後>

 

 

1歯槽骨に対する前歯への傾き

過度な前歯の傾斜は口が閉じづらくなりますから前歯を引っ込めた方が良いと言えます。前歯の移動には歯槽骨といって骨がありますから、それをはみ出してまでは歯を動かせません。過剰に歯を前方に移動させると、歯槽骨を越えていしまい、歯根露出などが生じてしまいます。セファロ写真は前歯の移動可能範囲をチェックする事ができるのです。

 

<前歯の骨の中の位置というのは重要です>

 

 

2上下の骨格の前後的長さ

セファロ写真は等倍(正確には1.1倍)になるように撮影していますので、様々な頭の構造を2次元的に実寸を測る事できます。そうすると、上下顎の前後の長さの差異がわかります。例えば、出っ歯の原因が上顎が前に出ているからなのか、それとも下顎が小さく下がっているからなのかなどがわかります。

 

<それぞれの骨格に合わせたゴールを作ります>

 

 

3骨格の形態パターン

人の骨格は極端に大きく分けると、エラが張るくらい顎ががっしりしているタイプ、面長で顎の奥行きが狭いタイプかに分かれます。セファロ写真に何本か基準線を引き角度計算をする事で骨格を3パターンに分類する事ができます。これによって顎の筋力のパターンまでも変わり治療方針も変わります。

 

<骨格のパターンにより歯の動かし方も異なります>

 

 

このようにセファロ写真には、矯正治療計画立案に必要な情報が含まれています。それ以外にも気道の狭さ・頚椎からの成長年齢予測・顔面の皮膚の形状など様々な事がわかります。さらにVTOといって、歯を動かす事でどれくらい、口唇や皮膚が動くかも予測計算する事ができます。そして、なんと矯正治療後の横顔のイメージ画像はPCで作成する事ができるのです。

 

 

 

治療経過をみるためにも撮影

矯正治療でどれだけ歯が動いたか?を評価する事はとても難しいです。それは、基準点がないからです。顔の皮膚や粘膜など柔らかい組織からは正確に計測する事ができません。ですから、骨格のほとんど変化のない点から歯の動きを計測する必要があるのです。同条件で撮影するセファロ写真であれば、治療前後のレントゲンの中の骨の基準点を重ねる事で前歯や奥歯の前後的動きを計測する事できるようになるのです。

 

<歯の前後的な移動距離も計れます>

 

 

これは、治療後に分析する事は非常に大事な事です。セファロ写真で治療経過レビューする事で、仮説を検証できるのです。計画通りの治療は理想ですが、現実はありません。トライアンドエラーを繰り返し100%に近づけていくしかないのです。

 

 

 

 

矯正治療の診断にセファロ写真は必須

このように矯正治療の検査・診断費用の中の多くを占めるのがこのセファロ分析の手間暇のコストです。また、レントゲン機械も大きくなり幅を取るため医院にある程度のスペースが必要になります。最近は矯正歯科治療を行う一般歯科医院も増えましたが全ての歯科医院にこのセファロレントゲンがあるとは限りません。また、セファロレントゲンがあっても分析もソフトがなくては正確なデータや正常値との比較もできません。このセファロ分析がしっかりしてる矯正歯科専門で治療は行う事が良いと言えます。

 

セファロ写真・インビザライン

<セファロレントゲン機械(左についている方)> 

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