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2番抜歯矯正

 矯正治療では側切歯【2番】抜歯の治療方針を選択することがあります。特に上2番抜歯の場合は笑った時に見える部分でもあるため、「治療後は違和感はないのか?」「治療中は目立たないか?」など、患者さんは不安に思うことが多いと思います。そこで、今回は2番抜歯を行う理由とその実際について説明をしていきます。

2番抜歯の実際

 一般的に矯正治療の抜歯は第一小臼歯【4番】が選択されます。これは、親知らずを除いて歯列は片側7歯で構成されており、4番がちょうど真ん中にある歯だからです。6前歯の審美性を整え、前歯と奥歯の前後的移動量をコントロールことに優れています。ですから、歯に何かしらの問題がある場合のみ、その他の歯の抜歯が適応されます。その中で、大臼歯や5番抜歯などはよくありますが、2番抜歯の適応はあまりありません。これはメリットよりデメリットの方が多くなりやすいからです。

2番抜歯のメリット

 2番抜歯の一番のメリットは、意外かもしれませんが抜歯空隙閉鎖が早く、治療期間が短いことがあげられます。4番抜歯は奥歯も大きく動かすことになるのですが、2番抜歯は前歯部のみの動きで矯正治療が完了できるためです。その結果、抜歯空隙を閉じるのに大きな時間はかからないことが多いです。

2番抜歯のデメリット

 ですが、2番抜歯にはデメリットが何個かあります。これは、抜歯した2番部分に【犬歯】3番を移動させるために起こります。2番と比較して3番は、歯に厚みがあり先が尖っています。そして、歯の色は少し暗い色をしており、審美的に配列することが難しくなります。治療途中で3番の先頭部の研磨して、スマイルラインを整える形になります。

 また、3番は正常咬合であれば犬歯ガイドといって、下あごの横への動きを制御する働きがあります。2番抜歯は3番を前歯に並べるため、その後ろの小臼歯がこのガイドを担当をすることになりますが、犬歯ガイドよりは機能的には強くはありません。

 最後に、2番抜歯は早く隙間ば閉じるとはいえ、初診時の時点で強い叢生あるケース以外は、最低でも半年近くは「すきっ歯」状態になります。ですから、抜歯時期をある程度歯が並んでから行うように調整したり、抜歯部分を見えないようにカバーをする審美的な配慮が必要になります。矯正装置や隣接歯に仮歯のようなものをつけて前から目立たないようにします。

2番抜歯の適応症

 上記のメリット・デメリットを踏まえると、ケースとしてはあまり多くはないのですが、下記のようなタイプが2番抜歯の適応症です。2番が前歯と二重に重なっているケースを、治療期間短縮や治療難易度を簡単にするだけの目的で、2番抜歯を行うことは矯正専門医ではあまりありません。

片側の2番が先天性欠損

 先天性欠如歯といって永久歯の種がない頻度が多い部位は2番と5番です。その中で一番審美的に問題になるのは上2番の片側欠損です。この場合は歯列を左右対称にすることも考えて、もう片方の2番を抜歯すること多くなります。臨床では一番多い2番抜歯のパターンになります。

2番の形に異常がある

 特に上の2番の形態にはバリエーションがあります。主に小さい歯が多く矮小歯と呼びます。小型の円錐形2番の場合は、矯正治療で並べても審美的に良くなく、かぶせる歯で形態修正が必要になります。上下の歯の大きさのバランスもよくないため、奥歯を1歯対2歯でギザギザに噛み合わせもきれいにかみ合わせを作ることが難しくなります。また、上の2番が内側に入っておりクロスバイト状態になっている場合は、歯が磨耗しており前にだしてもきれいに並べることができないケースも抜歯対象になることがあります。

2番の歯根状態が悪い

 上2番は上3番が生える際に、歯根吸収を起こすことがあります。これは3番が通常より前方に生えてくることにより乳歯ではなく2番の歯根を溶かしてしまうことにより発生します。このような場合は正常の歯根の半分以下になってしまい将来的な歯の寿命も長くはありません。3番も2番位置に生えてくるため、2番抜歯が適応になります。幾度となく根幹治療を受けている歯に関しても同様に抜歯方針を選択することがあります。

下あごに左右差により正中がズレている

 顔の正中に対して、下あごと下の歯並びが大きく左右どちらかにズレている場合は、外科的矯正治療になる場合があります。このようなケースを矯正治療のみで上手くカモフラージュして治す計画を立てる場合、下2番抜歯を選択することがあります。これにより上下の正中線を上手くごまかすことができます。

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