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あごがズレている?非対称の治し方

■まきの歯列矯正クリニック 院長 牧野正志

あごの骨格の左右のズレの量が多くなると、矯正単独でカモフラージュ治療をする事は難しくなります。この場合は外科的矯正治療を検討する必要があります。

なぜあごはズレるのか?

あご形が左右非対称になる理由は、左右で骨格の長さが大きく異なる事によります。これは、遺伝的なものが一番強く、成長期に骨格の左右のズレを抑える矯正治療をしたとしても、成功率は高くはありません。骨折や関節の外傷などでも発生する事はあります。あごのずれは、成長期の頬杖や横向き寝などの生活習慣も多少影響を及ぼしますが、やはり遺伝的なものが中心となります。

様々な下あごの骨格のズレ方

「あごがズレていて、かみ合わせが悪い事を治したい」という患者さんの場合、矯正治療のみで、完璧な歯並び・かみ合わせを作る事はできません。これは、上下で左右対称ではない骨格の土台の上で歯列を並べる場合、どこかに妥協点を作らなくてはならないからです。ですから、あごのズレが関わっている非対称のケースは矯正治療では非常に難しい治療と言えます。
あごのズレ方には3つのタイプに分類できます。

1.下あご回転タイプ
2.下あご横ズレタイプ
3.上下傾斜タイプ

下あご回転タイプ

下あご回転タイプ

このタイプは、下あごが小さい「出っ歯」症例に多く、見た目ではあまり分かりません。口の中を見ると下の前歯の正中線がお顔の正中から左右に半歯分くらいずれています。原因は下あごの長さが左右どちらかが、短かく成長した場合に発生します。

上下の骨格のアンバランスが軽度なため、このタイプは矯正単独治療で十分な治療結果を出す事ができます。主に、下の小臼歯の抜歯を片側のみ行い、あごがズレている方向と逆の方向に歯列を回転させ改善します。

下あご横ズレタイプ

下あご横ズレタイプ

このタイプは、下あごが長い「受け口」症例に、たまに見られます。下顎が左右どちらか横に平行移動したような状態になっています。片側の奥歯に、クロスバイトやシザースバイトなどの側方方向のかみ合わせのズレが認められます。

こちらは上下の骨格のアンバランスが重度のため、骨格は自由に動かせる外科的矯正治療の方が良い治療結果が出ます。また、非対称以外にも下あごが長い「下顎前突」も併発している事が多いため、顔貌改善のために手術矯正の方が多く選択されます。

矯正単独で治療する場合は、アンカースクリューなどを用いて歯列を骨格内で左右にシフトさせます。ただし、骨格のズレをカモフラージュする治療になりますので、かみ合わせに改善に限界があります。

上下傾斜タイプ

上下傾斜タイプ

このタイプは、面長傾向のお顔の方多く、特徴としてはお顔が緩やかに左右どちらかにカーブしています。下あごだけでなく上あごも曲がっており、歯列がズレているというより、歯列が左右に傾斜しており「曲がっている」と感じます。

患者さんに、歯列の見え方や顔貌の改善希望がない場合は、矯正単独で治療を行う事も可能ですが、咬合平面(歯列の水平ライン)の傾斜を改善する事はできません。審美的に左右対称に近づけたいという希望がある場合は外科的矯正治療のみになります。

あごのズレが強くなるほど難易度が上がる

矯正治療は、奥歯を動かす量が多い計画ほど難易度が上がります。奥歯は大きく根も太く理想的な位置に移動させるのに限界があるからです。つまり非対称症例は、土台の骨格を動かさず矯正単独治療を行うのは奥歯の移動でカモフラージュさせてかみ合わせを作るため難易度が高いという事です。あごのズレが大きくなると、奥歯を左右に動かさなくてはならなくなりますので、さらに難易度は上がります。

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