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矯正中の食事について

■日本矯正歯科学会専門医 牧野正志

 

矯正治療が始まって、最初の苦痛は翌日の食事です。思っていた以上で治療を挫折しそうに思う方もいらっしゃいます。ずっと続くわけではありませんが、ある程度は、覚悟しておきましょう。

 

 

 

 

歯根膜が痛いため咬めない

矯正装置を装着したその日は「意外と余裕かな?」と感じますが、それは翌朝に起こります。矯正治療で歯を動かす力をかけ始めると、歯根膜と呼ばれる歯根と歯茎と間の血管の膜が拡張します。そこに歯を動かす時に必要な細胞と炎症性物質が集まります。これが、矯正開始直後の「歯が浮いた感じで、噛むと痛い」です。この状態の時、歯根膜が圧迫されるような強い力をかけて、普通の食べ物を噛む事は難しくなります。

 

 

 

矯正治療中の歯根膜について⬇

 

【怖い】矯正治療中は歯がグラグラ

 

 

 

 

翌日の食事について

弾力性があり噛み切る力が必要な食べ物が特に厳しいです。治療を始めて翌朝の食事でパンはまず食べられません。一口カジッただけで「無理!」と感じるはずです。あらかじめ前日にお粥などを用意しておく事を推奨します。栄養補充のゼリーも購入しておくと良いと思います。

 

 

 

また、食べ方がわからないまま、通常の食事をすると、ほぼ丸呑み状態になってしまいます。消化不良を起こしてしまうため、最初の頃は胃腸薬なども飲んでおいた方が良いと思います。

 

 

 

少し経つと何でも食べられる

この「歯が浮いた感じで、噛むと痛い」のは、大体3〜7日で一旦落ち着きます。その後、3か月くらいすると矯正中の食べ方というのにも慣れてきます。最終的には、以前の食事に近い状態まで戻りますので安心して下さい。焼き肉なんかも食べられます。それでもステーキなどの分厚い食べ物は噛みきれませんので、フォークで小さく切って食べて下さい。

 

 

 

矯正装置に食べ物がはさかる

何でも食べられるようになると今度は、食べ物が矯正装置に絡む事がとても厄介になります。ワイヤー型矯正装置の場合は、歯とワイヤーの隙間に、これでもかというくらいに食べ物がはさかります。私の経験上は、ラーメンなどの麺類やネギなどの細い野菜が絡まります。

 

 

矯正をしている方はわかると思いますが、食事をした後は、お手洗いですぐ口をゆすぎたくなります。くれぐれも爪楊枝などで、はさかっている食べ物を取ろうとしないで下さい。矯正装置が故障します。外出時は、歯ブラシと一緒に小さい歯間ブラシを携帯しておく事オススメします。

 

 

 

「パキッ!」と矯正装置が外れる

段々と硬い食べ物も食べられるようになってくると、今度は矯正装置が外れやすい食べ物が出てきます。元々、弾力性のある食べ物は危険なのですが、今度は硬い食べ物も注意しなくてはなりません。せんべいや表面が硬いスナック(商品名:じゃがりこ)などは、あの食感が美味しいのですが、残念ながら奥歯の矯正装置を外してしまいます。つい癖で、飴玉を最後ガリガリと噛んでしまうと「パキッ!」といってしまいます。

 

 

 

私も自分の矯正でよく外しました⬇

 

ブラケット(矯正装置)がよく外れる3つの原因

 

 

 

最近は、矯正治療をした患者さんは本当に「すごいな!」って感じます。でも、耐えられないという事はありませんから心配しないで下さいね。

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