リテーナーを使ってくれない本当の理由
リテーナーを使ってくれない理由は、食事の時外すのが面倒くさいというのが多くの理由です。
医院でよくある会話
矯正装置を除去してから1ヶ月後の歯科医師と患者さんのよくある会話です。
『リテーナーちゃんと使っているようですね。歯並び安定してますよ。』
「良かったです、安心しました。」
(…本当はサボりぎみだけど、まだ大丈夫なんだな…)
『どうですか?装置外して1ヶ月経ちまして』
「いやー、スッキリしましたし歯磨きが楽になりましたよ。」
(…でもリテーナーがつけるのがめんどくさくて…)
『装置外した事気がついてもらえましたか?』
「全然、誰も気がついてもらえませんね」
(…リテーナーあるから微妙なんですよ!)
『自慢しなきゃダメですよ!治療が終わったって。』
「そうですね。アピールしていかなきゃだめですね」
(意外と他人は歯並び気にしていないものだよな~、でも自己肯定感は上がりました。)
『ところで、今日はつけてないんですね。リテーナーは持って来ましたか?』
「あ、すいません!家に忘れて来ちゃいました。」
(…しまった!あまりつけてない事がバレる!)
なんていう会話はよくあります。()にした内容は患者さんの気持ちです。それしても、本当の事はわからないですけど、リテーナーは規定通り使用してもらえないものですね。
リテーナーを使わない理由
私は、最近までリテーナーの使用頻度が低い患者の理由は、
・ワイヤーが見えるからつけたくない
・しゃべりにくいのでつけたくない
・装着を忘れる
などが理由だと思っていました。
ところが、最近今日治療を終えたスタッフに「リテーナーについての使用についてネガティブな気持ちになるのはどこか」聞いて驚きました。
それは…「外出時に飲食がしづらい事」だったのです。
旅行やテーマパークに行った時、「おいしいものをつまみたい」、「友人の食べ物の味見」、なんていう時に毎回リテーナーを外さなくてはならないのです。せっかくのオフを楽しみたいのでリテーナーを再装着するのが億劫になります。
当院で矯正治療を終了したスタッフはリテーナーをつけたまま、カウンセリング業務も問題なく行なっています。つまり、見た目の問題と話しづらさも気にしていなかったという事です。また、見た目を気にしそうな患者さんに、目立たないクリアタイプのリテーナーを渡しても装着率が上がらない理由がここにありました。
リテーナーというのは面倒です。特に最初の半年は特に使わないと後戻りします。とは言っても、私は大切な1日くらいは、リテーナーを少し外していても良い気がします。
でも「すぐ、戻ってしまうかも…」という患者さんの不安を解消するために、当院ではフィックスリテーナーをできるだけセットしています。ちなみに、フィックスリテーナーがついているから、取り外しリテーナーを使わなくても良いかというと、そういうわけではないですからね。