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矯正治療を途中でやめるとどうなる?

■日本矯正歯科学会専門医 牧野正志

全体的な矯正治療は最低2年程度の期間を要する事が多いです。治療が完了するまでにわずかですが、通院の予約が途切れてしまい矯正治療が中断してしまう方がいます。

 

 

 

 

通院が途切れる理由とは

通院しなくてなってしまう理由は様々です。早めに担当医にご相談下さると様々な対処法を提案できる可能性があります。ですが、ついつい後回しになってしまう事が多くなってしまうようです。担当医も心配しますので早めの連絡を心がけましょう。

 


代表的な例を説明します。

 

 

物理的に通院できなくなる

転居などで他県に移動してしまうと、中々通院し続ける事は難しくなります。ご自身やご家族の転勤、留学や遠方の大学への進学など、治療開始した1年前には予測できなかった事が起きる事があります。

 

 

治療が既に終盤であれば、残り数回だけ遠方から通院してもらう事もありますが、多くの場合はやむおえず治療中断になってしまいます。状況によっては、転院も考えなくてはなりません。

 

 

また、入院を伴うような重大な病気などが発見された場合も、生命に関わる病気の治療の方が優先されますので、治療は一旦中断する事になります。

 

 

優先順位の低下

治療を開始した時は、誰もが「歯並びを治す事」が優先順位として1番であったはです。ですが、月日が経つにつれ段々と他の重要な出来事が横から入ってきます。学業や仕事が忙しくなる事も考えられますし、家庭やプライベートの予定を重視するようになっていったりする事もあります。

 

 

最初のうちは、予約変更の電話をきちんとしていた方も、段々と予定が合わなくなていき、予定が未定となり次の予約をとらなくなります。実はこれは、「予定がわからない」のではなく、「予定を入れられない」のという事なのです。つまり矯正治療の優先順位が低下してきているという事です。そして、そのまま連絡する事が億劫となり、音信不通となっていく患者さんも出てくるのです。

 

 

20年前私が学生時代は、皆、学校を休んで矯正歯科医院に通院していました。ですから、当時は「予定がわからない」という患者さんは少なかったと感じます。

 

 

毎回の診察が負担で嫌になる

患者さんによって個人差がありますが、毎回の矯正治療の問診や装具調整がストレスになる事もあります。お口の中が小さく器具の調整が難しい方や、痛みに弱い方の診察は、相対的に負担が重くなるからです。

 

 

また、矯正装置をしっかり使用できない事や、歯ブラシが悪い事を担当医に指摘されるのが嫌で、精神的に問題で通院できなくなる方もいます。

 

 

矯正歯科治療を希望される方は、審美的要素を気にされて治療を始める方が多いです。長い間悩んで、意を決して治療開始される方が多く、元々メンタルが弱い方もいます。

 

 

支払いの問題がある

矯正歯科治療は高額治療に分類されます。多くの歯科医院では治療費の支払いを、無利子で分割する事が可能です。いざ、頭金をお支払いいただき治療を始めたものの、途中で支払いができなくなってしまう方もいます。そして、そのまま支払いを延ばす目的で治療を中断してしまいます。

 

 

支払いに不安がある方は、金利はかかりますがデンタルローンなどを併用する方が、毎月の支払いを一定化できて安心できるかもしれません。

 

 

 

勝手に治療中断は危険

様々な理由で通院が途切れた後は、多くのケースでは一定期間、音信不通になってしまいます。問題はその後です。矯正医は毎回の診察で、次回の通院日にどのような状態になっているかを予測して矯正装置を調整します。ですから、数か月も調整に行かない場合は予測不可能な状態が生じる可能性があるのです。

 

 

これは、治療中断する前の最後の調整によって変わります。例えば持続的な力がずっとかかり続けるようにワイヤーを調整している場合は、どこかでストップしないと、どこまでも歯が動き続けてしまいます。予定している歯の設定位置を過ぎてしまう事もあります。

 

 

また、クリーニングも不足となり虫歯や歯肉炎のリスクも上がります。運動部の中高生の方で、部活で3か月通院期間が開いただけで、スポーツ飲料水によって前歯が全部虫歯になってしまった方もいます。

 

矯正治療の中断を考えている場合は、できるだけ早く担当医に相談をしましょう。

 

 

 

矯正治療によって制約を受ける事がある事を考えておきましょう⬇

矯正治療によりライフスタイルが【制約】される事も

 

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