こんにちは。まきの歯列矯正クリニック【千葉県】院長の牧野です。

 

マウスピース矯正【インビザライン】の治療計画はクリンチェックという専用のシミュレーションソフトにより最終的な治療後の歯の移動位置を決めます。「ゴールにたどり着くまで50ステージ」という感じで、そのまま必要なアライナー(マウスピース)の量も50枚と決まります。

マウスピース矯正は以下、商品名インビザラインと記します。

 

 

 

例えば、49ステージだと、PC上で0.5秒に1ステージくらいでコマ送りできますので、たった25秒くらいで治療が終了します。この動画を見ると、実際には難しい治療で枚数も多い治療でも、不思議と簡単に治せそうな気がしてしまうところが、クリンチェックの怖いところです。

 

※クリンチェック上での歯の動き

 

インビザラインの提供元のアラインテクノロジー社が推奨する交換スピードは2週間です。という事は50ステージの場合はざっと2年間かかるという事になります。

注)現在は世界的には1週間交換を推奨しています。

 

計算:14日 x 50枚 = 700日(約2年)

 

インビザライン治療は最初にオーダーしたアライナーのみで終わる可能性は低いです。必ず、予定通りに動いていない歯があったり、アンフィットといって途中でアライナーが入らなくなる事があります。ですから、リファインメントといって、治療経過を再評価をして、さらに数十枚追加アライナーが必要になる事がほとんどです。そうなると、この場合は治療期間は、2年をオーバーしてしまいます。

 

私は、患者さんのモチベーションを考えて、できるだけ治療期間は2年以内を目指していますので、この交換プランは「ちょっとないのかな」と考えてしまいます。

 

 

 

アライナーの交換日数は5日〜14日

正式には14日交換と書いてありますが、実は各医院によって交換スピードの判断は異なります。また、加速装置と呼ばれるバイブレーション型装置(例:アクセルデント)や細胞活性型装置(例:オルソパルス)を使用する医院の場合は、5日間交換などが中心で、14日間より短い傾向にあります。

※加速装置はまだ、その効果を証明がされていないため当院では一部の患者さんしか使用しておりません。

 

当院の交換日数は5日・7日・10日・14日の4パターンです。

 

交換スピードの決定は、患者さんの年齢と歯の動き方に、コンプライアンスを見て決めます。コンプライアンスとは1日のアライナー使用時間を20時間以上遵守し、チューイーを噛んでもらい、しっかりアライナーフィットをさせる事になります。

 

年齢については、歯の自然に生える力がなくなって行く事と、歯茎と骨の代謝が悪くなっていきます。当然、成長期のお子さんの方が交換スピードは短くできます。

▶︎中学生は治療期間が短い

 

歯の動き方については、「傾斜移動」と呼ばれる歯根の移動が少ない移動の場合は、時間がかからないため、交換スピードを短くする事ができます。

▶︎歯の移動について詳しくは

 

コンプライアンスについては、患者さんの生活スタイルとキャラクターによります。最初の1ヶ月は長めに使用していただき、その期間の1日の平均使用時間などをよく聞き、可能であれば期間を短くしていきます。また、交換日数は途中で短くしたり、長くしたりと来院時に変更させたりもします。

▶︎装置の使用時間について詳しくは

 

例:30代女性・難易度標準・コンプラアンスが高い(45+15ステージ)

初回:10日交換 x 45ステージ = 450日

追加:7日交換 x 15ステージ = 105日

計555日+追加発注ロス期間20日 = 575日

治療期間:約1年7ヶ月

 

当院はこのようなパターンが一番多いです。

 

自己判断による交換は危険

たまに、自己判断で交換スピードを早められる患者さんもいらっしゃいますが、これは危険です。予定通り歯が動いていなかったりで、アライナーがアンフィットして結果的に治療期間が延びたり、一時的に強い力がかかり過ぎてしまい歯髄壊死や歯肉退縮など不可逆的な損傷を引き起こしてしまう可能性もあります。歯科医師の指示を守りましょう。

 

人によってはアライナーを交換して3日くらいすると全然痛くなくなり、その後しばらくはアライナー自体も緩いままの方もいます。でも実はその期間は、新しい歯根の位置で周りの歯槽骨が再形成されている時期でもあります。この期間を飛ばしてしまいますと、後に歯並びの安定性に影響を与えてしまいます。

 

また、インビザラインにはIPR(ストリッピング)といって、歯と歯の間にヤスリをかけてスペースを作る治療計画が多いです。このIPRは最初に決めたステージ数の付近で通院していただき行います。これが、アライナー交換スピードを上げてしまうと、適切な時期にIPRが間に合わないという事が生じ、治療精度が下がるという事態も生じます。

 

それでも、「交換速度を早められそうだな」という事があれば、来院時に歯科医師に相談してみると良いと思います。

 

 

ところで、「5日交換の患者さんなんているのか?」というと、少ないのですが一応います。それは、小中学生でアライナーをしっかり20時間以上使用してくれている方です。

 

 

まとめると、アライナー使用の「コンプライアンス」というのが、インビザライン治療には一番重要という事です。

 

 

 

▶︎インビザラインのケースごとの治療期間については