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【比較】プレオルソと床矯正

■日本矯正歯科学会専門医 牧野正志

治りが早い プレオルソ

プレオルソは床矯正と違い適応範囲が広く治りが早い小児用矯正装置です。

 

 

春休みが近づくと、お子さんの相談が増加する時期になります。お子さんの矯正治療は、「痛くなさそう」というイメージから、比較的取り外し式装置が多いです。風邪や鼻閉が多く体調を整えるのが難しい冬場は使用できない事も多いですから、春先からはちょうど始めどきと言えます。

 

 

 

健康機能にアプローチできるプレオルソ

矯正装置のトレンドにも流行り廃りがあります。数年前はまだ、上下別々の床矯正装置(拡大プレート)が主流でしたが、現在は、T4K・マイオブレース・ムーシールド、そしてプレオルソなどトレーナーと呼ばれる上下一塊型のマウスピースが増加してきています。

 

 

この背景には、子供の矯正治療に口呼吸や舌の位置の改善など機能的な問題へのアプローチがより重要視されるようになったからと言えます。トレーナーは歯型を必要とせず、既製品を調整して使用するというのも、素早く治療に入れる点でもメリットが高いと言えます。

 

 

一見、取り外し型装置で同じようなイメージであるプレオルソと床矯正装置ですが、適応症・作用・使い方、全てが異なります。もちろん治り方も変わってきます。

 

プレオルソ・床矯正の比較

※全体としてはプレオルソの方は適応範囲が広いと言えます。

 

 

 

 

プレオルソで正しい歯並びの形に

プレオルソが得意な事は、筋機能のバランスが崩れて生じるV字歯列のような歯並びの形(アーチフォーム)を修正するのが得意です。さらに、お口の中に入れて常に噛んで使うため、前歯の噛み合わせを整える事にもとても有効です。出っ歯(上顎前突)・深噛み(過蓋咬合)・受け口(反対咬合)が治るスピードが早いと言えます。

 

 

上顎がV字歯列 プレオルソで改善

※アーチフォームを治すのが得意なプレオルソ

 

 

使用時間は1日8時間程度で就寝時が中心です。タングプレートやバッカルシールドと呼ばれる、口呼吸や低位舌のトレーニング構造も設置されているため、口腔筋機能改善作用も持っています。

 

 

このトレーニング部分の負荷に違和感があって使えないというお子さんも一定の割合でいます。この場合、最初の頃は就寝時に自分で口から取って出してしまう事が多く、起きている時間も少し使用し慣れが必要です。また、鼻閉があるとなかなか連続使用する事が難しく、耳鼻咽喉科での鼻疾患のコントロールも必要となります。

 

 

 

 

床矯正装置は管理が難しい

一方、床矯正装置は、拡大ネジにより歯列拡大が得意と言えます。弾線(スプリング)を設計に組み込む事で、クロスバイトと呼ばれる内側から生えてきた歯を前に押し出す事も一つの単体装置で可能です。

 

 

使用時間は1日12時間程度が一般的で、学校にも装着していくパターンが多いようです。拡大ネジがある場合は自宅で保護者の方が調整する事で治療が進みます。この学校での使用時間と保護者の方の管理という点が床矯正装置使用のネックである事が多いです。

 

 

装着時はフックで歯に固定するため、簡単には外せません。ですが、乳歯が抜け始めるとと維持する歯がなくなってしまい、すぐ外れるようになってしまいます。混合歯列期後期といって下の乳犬歯(平均10才程度)が抜けると、再作成もしくは使用中止になります。また、風邪などで、しばらく使用していないとすぐに装具が合わなくなり装着できなくなります。

 

床矯正は調整が必要

 

 

プレオルソが子供の矯正の主力

治療スタートに用いた矯正装置は、当院も5年経つうちにだんだんと使用装置の割合が変化してきました。開業当初の頃は床矯正装置が中心でしたが、現在の主力はプレオルソです。それも小児矯正全体の73%!4人に3人近くがまず、このトレーナー型矯正装置で治療をスタートしています。

 

 

プレオルソと床矯正の使用率

 

 

青い柔らかいマウスピースをお口に入れて寝るだけで歯並びが治る」というのが、お子さんもポジティブに捉えてくれるようです。針金が付いている装置と違って圧倒的にイメージは良いです。

 

 

日本の子供の矯正治療の主力は、今でも床矯正装置です。ですが、私は近い将来、トレーナー型矯正装置に全て入れ替わってしまうと考えています。

 

 

 

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