ブログ

【難しい】過蓋咬合の矯正歯科治療

今回は、成人で下の前歯に叢生がなく、出っ歯でガミースマイルである過蓋咬合は、治療難易度はかなり高いという内容です。

 

 

過蓋咬合とは「深噛み」ともいって、下の前歯の切端部が上の前歯の根元もしくは、上の裏側の歯茎を噛んでいる状態になります。この状態ですと、前歯でしっかり食べ物が噛む事ができません。また、歯ぎしりも多く奥歯に噛む力強くかかり、奥歯の高さをすり減らしたり、差し歯など補綴物の作成に強度が必要になり困難になります。

 

 

矯正治療をする目的は見た目と噛み合わせを治す事です。ですが、この過蓋咬合は、見た目には問題がないケースもあり、噛み合わせのみを治す矯正治療になる事もあります。見た目に問題がない場合は患者さんに矯正治療をで治すという考えが生まれないため、過蓋咬合単体での症状で矯正治療に踏み切る方はあまり多くはないと言えます。

 

 

過蓋咬合の主な治し方は、上下の前歯を歯茎方向に押し込む「圧下」という移動様式を用いて治療を行います。実はこの「圧下」は、矯正治療の移動様式の中で、歯根の移動量が多く時間がかかる治療法になります。ですから、患者さんも、噛み合わせのためだけに長い期間をかけて矯正治療を行うか、非常に迷います。逆に、他の併発する悪い歯並びがあって、それを治すついでに過蓋咬合も治すといった感じになりやすいです。

 

 

 

 

 

過蓋咬合の治し方

過蓋咬合を治し方は以下3つです。

 


1、奥歯を挺出させる【臼歯挺出】


小臼歯と呼ばれる歯列の中間帯にある歯を中心に上方向に高さを延ばします。これを「挺出」と呼びます。これにより奥歯の高さが高くなり、少し口が開いた状態で噛み合うようになり、噛みすぎている上下の前歯が浮くようになります。専門用語で「スピーカーブを平坦化する」とも言います。

 

 

挺出は歯に萌出力がある成長期のお子さんの場合は効果的です。逆に、成人の小臼歯抜歯を併用するような矯正治療の場合、挺出させる歯の本数が減ってしまうため、この方法は難しくなります。

 

 


2、前歯を圧下させる【絶対的圧下】


歯を歯根方向に押し込む移動を行います。矯正治療の中でも時間がかかる移動様式であり、確実に垂直的に沈めるためにはインプラントアンカーなど固定源から引き上げなくてはなりません。一般的には上よりも体積が少ない下の前歯の方が圧下しやすいです。

 

 

過蓋咬合と併発しやすいガミースマイルといって上の歯茎が見える歯並びの方は、必ず上の前歯を圧下しなくては改善しません。インビザライン単体では、この移動は少ししか行う事ができません。 この絶対的圧下が必要な場合は矯正治療の難易度は一気に上がります。

 

 


3、前歯を傾斜圧下させる【相対的圧下】


こちらは、上の圧下と異なり、前歯を前に倒す事で、過蓋咬合を治す方法です。垂直的には難しいので、傾斜移動といって歯の頭の部分だけを前方に振り子のように振るのです。

 

 

過蓋咬合には下の前歯が内側に押し込まれている事により生じているパターンもあります。下前歯にスペース不足による乱杭いがあるケースにはこの「傾斜圧下」が向いています。これは、インビザラインの得意な治療パターンでもあります。傾斜させると通常は前方に前歯が出るため、上の前歯で傾斜圧下させるられるケースはあまり多くはありません。

 

 

 

過蓋咬合にはワイヤー型矯正装置が向いている

マウスピース型矯正装置インビザラインは、過蓋咬合ケースは苦手としている事が多いです。全てのケースが難しいわけではなく、パターンが当てはまればといった感じです。上の3つ治療方法を各症例別に適応させ治療方針を選んでいく形になります。

 

 

10代で下の前歯に叢生がある過蓋咬合なら、治療難易度は低いと言えます。

→比較的簡単な①臼歯提出と③相対的圧下で治療可能

 

成人で下の前歯に叢生がなく、出っ歯でガミースマイルである過蓋咬合は、治療難易度はかなり高いと言えます。

→時間がかかる②絶対的圧下が必要

 

 

難易度が高いケースには、ワイヤー矯正治療を併用する事を事前に説明するか、ハーフリンガル矯正などを推奨します。

 

 

▶︎過蓋咬合の治療前後の変化…

このエントリーをはてなブックマークに追加