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ガミースマイルの治し方

笑った時に過剰に歯茎が見える状態の事を「ガミースマイル」と呼びます。

全てのガミースマイルの方が気にしている訳ではありませんが、歯茎が見える事が恥ずかしくて笑えないという方は、治療を行う事があります。

ガミースマイルの定義

3mm以上歯茎がみえるガミースマイル
<3mm以上歯茎がみえるガミースマイル>

口角を思いっきり上げ笑うフルスマイルをすると、ほとんどの方が歯茎は見えます。これが、通常のスマイル時でも上の歯茎が3mm以上見える方はガミースマイルにあたります。ここまでくると、歯茎の露出が多くなり、気になる方が増えてきます。

スマイル時に5mm以上歯茎が見えている状態でも、健康的に見え気にならない方もいますので、ガミースマイル単体では治療するかしないかはよく考える必要があります。ですから、この問題を解決していく場合は美容目的の治療に近くなります。ですが、多くのガミースマイルは、「出っ歯(上顎前突)」や「深噛み(過蓋咬合)」などの不正咬合を併発しています。歯並びの噛み合わせの改善も含めて、まずは矯正歯科に相談される事が多いです。

ガミースマイルの原因と治療法

主に4つの問題は分けられ、それぞれ改善方法が異なります。2つ以上の問題が、複合している事もあります。この中で、矯正歯科単独で改善できるのは「前歯の位置の問題」のみになります。

前歯の位置の問題

出っ歯(上顎前突)の方は、上の前歯が前に傾斜して倒れているため、口が閉じづらく、上唇が持ち上がりやすい事があります。これは、小臼歯抜歯を併用した矯正治療を行い前歯を後ろに引っ込める事で、口が閉じやすくなり少し改善が認められます。

また、深噛み(過蓋咬合)の方は、上下の前歯が前後にすれ違いになっており、上の前歯が過萌出といって、下に伸びています。これは、前歯を矯正治療で上方に持ち上げる事で歯茎のラインごと上方へ移動させる事ができます。歯だけの移動量としては垂直的には、2〜3mm程度が限界とされています。上の前歯を上方や後方に移動させる際は、強い固定源が必要になります。ヘッドギア装置や歯科矯正用アンカースクリューといった固定装置を併用します。

絶対的固定源のアンカースクリュー
<絶対的固定源のアンカースクリュー>

上顎骨の長さの問題

上顎骨の形が問題である事があります。これは主にハイアングルと呼ばれる面長のお顔の方にみらます。上顎骨が縦に長く、そのまま上の前歯の位置も下方にあるケースです。上記の歯の位置だけが問題の場合より、スマイル時のガミースマイルの程度は大きくなります。

骨格からの根本的な改善方法を選択する場合は、外科的矯正治療になります。全身麻酔下で上顎骨を分離させ上方に持ち上げプレートで固定します。ガミースマイルは基本的に下顎骨は小さい上顎前突である事が多いため、同時に下顎骨を前方に出す手術も行います。手術前後で、矯正治療も必要になります。

総合病院口腔外科での手術が必要になります
<総合病院口腔外科での手術が必要になります>

上唇の筋肉の問題

上唇挙筋といって、上唇を持ち上げる力が強い方は、場合によって歯茎が見えやすくなります。もともと、鼻下から唇までの距離も短い方も多く、思いっきり笑うと歯茎が5mm以上見えます。

よく知られている改善方法としては、ボツリヌストキシンというタンパク質(商品名:ボトックス)を注射する事で一定期間、筋肉を麻痺させる事で、上唇が過剰に上に持ち上がらないようにする方法です。半年くらいで効果が切れてしまいますので、再度打ち直しが必要になります。また、人はエイジングとともに筋力が低下します。ですから、それ共に自然と歯茎は目立たなくなってきますので、いずれ打ち直しは必要なくなる事が多いです。

美容歯科・外科で注入するボトックス
<美容歯科・外科で注入するボトックス>

歯と歯茎の形の問題

歯の形や大きさによっても、歯茎が目立つ事があります。歯の縦横比は黄金比(横:縦=1:1.6)に近い方が理想的です。これが、極端に縦が短い歯の場合は歯茎の方が相対的に目立ってしまいます。

元々の歯の長さも必要ですが、ある程度の歯根の長さが確保できる場合、歯肉形成術(ガムサージェリー)という歯周外科処置を行い、歯茎から見える歯の長さを増やすという方法もあります。この術式単体では、ガミースマイルの劇的な改善をさせる事はできないのですが、合わせて矯正歯科治療やセラミックの差し歯の治療を併用すると効果が高いと言えます。

歯冠の縦横比を調整する
<歯冠の縦横比を調整する>

本当に治療は必要なのか?

途中で、少し説明しましたが、人はエイジングとともに筋肉や皮膚の力が落ちてくる事により、上の歯は見えなくなってきます。それとともに上の歯茎は目立たなくなってきます。ですから、ガミースマイル改善の相談に来られる患者さんはほぼ20代です。ミドルエイジの方にはほとんどいません。

歯茎が見えるのは若々しさの象徴でもあります。ガミースマイルを改善したたいという場合は、よく必要性を考えてから治療に踏み切ると良いと言えます。

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