インプラントアンカー矯正

 

インプラントアンカーとも呼ばれる直径1.5mm程度のピアスみたいなスクリューピンを歯茎に設置します。先端部は歯槽骨まで刺さり、これはを固定源にして3次元的に様々に歯を動かします方法です。近年、成人の矯正治療を行う方に対し、スタンダードな治療法になりつつあります。人口歯根であるインプラントとは異なるものになります。

 

 

 

 

インプラントアンカー プロシード社

 

 


アンカースクリューはなぜ必要か?


全てのケースに使用する訳ではありませんが、特定のパターンの歯並びや治療法にアンカースクリューを応用する事で、治療のメリットを得る事ができます。ただし、必ず治療期間が短くなる」・「非抜歯で治療できる」という訳ではありませんのでご注意下さい。「効率良く歯を動かす事ができるようになる」という目的で使用をいたします。

 

 

 

ッドギアなどの固定装置の替わりになる
ほんの10年前は奥歯を動かさないように成人の方でも就寝時ヘッドギア装置を使用する事が一般的でした。在宅時間が短い成人の方には使用が面倒なため、十分装着時間が得られていない事がありました。もちろん、その場合は良い治療結果が生まれません。

 

それがアンカースクリューを使う事で必要なくなり、患者さんの負担は大分減ったと言えます。

 

ただし、成長期のお子様の場合は骨が柔らかくスクリューが安定しないため、通法どおりのヘッドギアを使用します。

 

アンカースクリュー 固定源
※奥歯からではなく、アンカースクリューから前歯を直接後ろに引いている様子

 

 

前歯を効率よく下げられる
今までは、抜歯した歯の隙間を閉じる際、奥歯と綱引きをしながら1本づつゆっくり前歯を後ろに引っ張っていました。1度に多くの歯を移動させると反作用が大きくなり、意図しない歯の動きが出るため、治療期間がかかっていました。

 

一方、アンカースクリューを使用した場合、直接前歯を引く事で早く前歯が下がります。特に裏側矯正を行う場合は、狭い口の中で効率良く歯を移動させるために、ほぼ必ず設置します。

 

アンカースクリュー 一括移動

※裏側矯正で、アンカースクリューから前歯6本をまとめて後ろに引いている様子

 

 

難しい歯の動きも可能にする

今までの矯正器具では歯の動かす範囲に限界がありました。アンカースクリューは設置位置によって歯を3次元的にある程度自由に動かす事ができるようになります。矯正治療単独では改善が難しいとされていた、歯を歯茎方向に押し込む治療方針も積極的に選ぶ事ができます。これにより骨格性の開咬やガミースマイルといった症状も治療が可能となります。

 

アンカースクリュー ガミースマイル

※前歯のワイヤーをアンカースクリューから上方引っ張り上げ、ガミースマイルを改善している様子

 

 

 


安全な設置方法


アンカースクリューは生体親和性の高いチタン合金性です。スクリュー部の直径1.5mm以下(主に1.3mmを使用)と長さ6〜8mmとかなり細いスクリューです。スクリュー部の先端部は歯槽骨といって歯茎の下の骨に入ります。ある程度、歯槽骨の硬さが必要なので16歳以上から使用できます。ヘッドの部分はパワーチェーンやバネがかけらるようになっており、設置後はピアスがついたようになります。

 

オルソニア・プロシード社

※安全に設置できるオルソニア

 

局所麻酔の上、精密に機械を使用して無痛的に設置します。「スクリューが骨に刺さるなんて怖い」イメージですが、見た目ほど設置手術は全然痛くありませんのでご安心ください。当院ではオルソニア(商品名)という設置速度とトルクを調整できる専用機器を使用しおりますので、安全性は高いと言えます。この機器を使用する事で、設置後のアンカースクリュー脱落のリスクをかなり減らす事ができます。

 

 

以前、手動で設置を行っていた頃は、うまく設置できずアンカースクリューが緩んでしまうケースが結構ありました。脱落してしまうと別の位置に設置し直さなくてはなりませんので、患者さんにも歯科医師側に負担になります。手動の場合は、埋入トルクの調整はやはり難しく、設置方向もブレが生じてしまいます。マイクロクラックといって、歯槽骨に非常の小さなヒビが入ってしまうのです。

 

 

アンカースクリューの設置方法は、局所麻酔をして15分以内の簡単な手術で歯茎から直接埋入します。歯茎の切開や骨に穴を開けたりなどは今はありません。ですから患者さん負担は非常に少ないないと言えます。設置後もほとんど痛みはありません。治療目的が達成されたあとは速やかに撤去します。撤去後のミニスクリューの傷は2-3日でなくなりますのでご安心下さい。

 

 

アンカースクリュー手術

 

 

クリニックによっては、口腔外科医に依頼して設置する場合と、矯正専門医が自分で設置するパターンがあります。どちらかと言えば、実際は治療計画を立てる矯正専門医が研修を積んで設置をした方が、適切な位置に入れる事ができ、トータル的には望ましいと考えております。当院では、院長の私が局所麻酔を行い設置します。

 

 

 


脱落リスクがある


残念ながら、電動にしても全体10-20%くらいにアンカースクリュー設置から数日後に、動揺し安定せず後日再設置になる方がいます。特に上顎の頬側の歯肉に設置した時に起こりやすいです。なお、歯槽骨が成熟していない15才以下の患者さんには脱落のリスクがかなり高くなるため、行なっておりません。

 


(新しいウィンドウで開きます)

当院の2017年度のアンカースクリューの脱落率は20%(7/34本)でした。

※設置後3か月以内に動揺もしくは自然脱落し、再埋入もしくは設置断念した部位

 

 

当院では歯科矯正用アンカースクリューの費用は治療費に含まれています。例え再設置になっても追加で必要はありません