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悪い歯並びを放っておくとどうなるか?

■日本矯正歯科学会専門医 牧野正志

矯正治療を始める動機の一つに、「歯並びをこれ以上悪くしないようにしたい」という理由の方もいます。また、お子さんの保護者の方の場合は、「早く治さないと手遅れになるのではないか」と焦って治療を始める方もいます。

でも、実際はどうなのでしょうか、本当に悪い歯並びは段々ひどくなってくるのでしょうか。手遅れになるというの事はあるのでしょうか。

 

 

 

 

歯並びは徐々に変化している

大前提として、人の歯並びは毎日動いているという事です。そもそも、歯と骨の間には歯根膜腔と呼ばれる0.15mm程度の血管の隙間があり、ある程度ルーズな感じで歯は並んでいます。この歯根膜腔の中では毎日、食事をする時の噛む力などでも歯は動いていいます。

 

 

ここに噛み癖や舌などの口の中の持続的な筋肉の圧力がかかると、歯茎の細胞が活性化され歯の位置が少しずつ新しい位置に動こうとしていくのです。ここに、加齢とともに歯茎が弱くなってきたり、歯周炎など歯茎が炎症を起こしていると、一気に加速して目に見えて歯並びが悪くなってくるのです。目にみえて歯並びが悪くなった時は、実はもっと以前から歯並びは悪くなる方に動いていたのです。

<気がつかないうちに歯ならびは段々と変化している>

 

 

 

歯を失うと歯並びは一気に変化する

歯はそれぞれ自力で位置をキープしているわけではなく、横から接触している隣同士の歯が支え合い倒れてしまう方向に動くのを防止しています。また、上からは反対側の同名歯が噛む度に力を加え上下的な位置が変化しないようになっています。要は、横から上から絶妙なバランスの力の支えがあり歯並びは維持されているのです。

 

 

これが、虫歯などで1本でも歯を失うと全体のバランスが崩れていきます。歯のない部分のスペースに向かって隣の歯が倒れこみはじめ、反対側の歯が上から伸びてくる事で、歯並びだけでなく噛み合わせが変化しています。

 

 

 

悪化しやすい歯並びのパターン

実は悪化しやすい歯並びというのがあります。それは開咬といって上下の歯並びが噛んでいない状態です。理由は、舌の位置など意識して治ししずらい普段の姿勢など影響している事と、噛む力が過剰にかかている奥歯に負担がかかりやすく、奥歯から歯を早期に歯を失う率が高いからです。奥歯は1度を失うと、どんどん後ろ前へ歯を失っていき、噛み合わせが変化していきます。場合によっては顎の関節にも負担がかかってきます。

 

 

「開咬の治し方」について詳しくは⬇︎

開咬はインビザライン矯正に向いているワケ

 

 

 

子供の悪い歯並びの場合は様子見もあり

ここまでは、主に成人の方の話でした。成人の場合は早く行なった方が良いという内容になりますが、子供の歯並びに関しては、場合によって少し待った方が良いケースもあります。

 

 

受け口など永久歯の一部の噛み合わせに問題がある歯並びと埋伏歯など歯の生え方の問題以外は、永久歯に生え変わるまで矯正治療を検討せず様子見するのは問題ないと考えます。それは、乳歯から永久歯に生え変わる期間は6年間くらいありますが、一度永久歯が生えれば、その後、急激に悪化する事はないからです。

 

 

 

よく質問であるのが、「下の前歯のでこぼこ」や「出っ歯」です。見た目が気になっているという事であれば早期から治療開始する事もありますが、いずれ矯正治療を受けさせる予定という事であれば、急いで小学生低学年から矯正治療をさせる事を推奨したりはしません。この時期から治療は開始しなくても、手遅れという事はありませんので。

 

 

小児矯正をする事が家族の負担になる事もあります⬇︎

小児矯正を契約する際は慎重に

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