【大事】八重歯は見た目だけの問題ではない
八重歯は見た目が悪いだけでなく、歯の長持ちにも悪影響を及ぼします。
ハロウィンの季節です。今度、保育園に行く私の娘も園で仮装パーティーがあるほどです。仮装といっても、女子はほぼディズニーのプリンセスなので、全然怖くないのですが、、、雑貨店に行くと、子供用のドラキュラの仮装とつけ八重歯とかも売ってますが、あまり売れてはいません。
八重歯のイメージ
八重歯は、キリスト教圏の国ではドラキュラのイメージが強く、欧米ではまず1番の歯列矯正の対象です。日本ではチャーミングなイメージもあるため、審美的には八重歯を治すか治さないかは意見が別れる事もあります。ですが、日本も国際化している中で考えると、八重歯は悪い歯並びの中でも一番目立ちますので、矯正治療を行う事を推奨します。
最近では、高校や大学での短期留学はあたり前になってきました。海外に行った時に「矯正治療していた方が良かったな〜」と感じるはずです。なんせ、日本人のイメージは「歯並びが悪い」ですから。
八重歯とは
八重歯は「上顎犬歯低位唇側転位」と正式には呼び、上の前から3番目の犬歯という歯がスペースがないため、正しい歯列の位置から外側にかつ上方のある状態です。さらに、上下の犬歯が接触していない状態であり「咬耗」といって噛む動作による自然な擦り減りもありません。生えてきた時のままの状態であり、先端が鋭く尖っている事もより八重歯を目立たせる要因です。若干、上唇に引っかかって口も閉じずらいです。
八重歯の問題は目立つだけではない
上の犬歯は全ての歯の中で一番根っこが長い歯になります。入れ歯になったシニアの方でも犬歯だけは残っているというくらい長持ちもします。ですから、ある程度の強い力が大丈夫なように耐久性があります。これは犬歯は、食べ物をすりつぶす動作や歯ぎしりの際にガイドの役割を果たさなくてはならないからです。
人の歯は縦方向からの垂直的な力には強いのですが、横方向の力に弱いです。あまりに奥歯に横揺れの力がかかり過ぎると、くさび状欠損とよばれるようなエナメル質の剥がれや外傷性咬合と言う歯周病の悪化因子になってしまいます。この歯への横揺れの力を緩衝してくれるが犬歯なのです。正常咬合であれば、顎を横にズラすと上下の犬歯だけ接触するようになり、前歯と奥歯は自然と上下離れます。これは犬歯誘導(キャナイガイダンス)といって、機能的に長持ちする歯並びを作るためには大事な考えと言われています。上下の犬歯が接触しない八重歯にはこの犬歯誘導がないのです。という事は将来的な歯の持ちも・・・予測はつきますよね。
八重歯の治し方
スペースがなくはみ出した犬歯を歯列に入れるためには、スペースの獲得が必要です。抜歯しない方針でストリッピングや後方移動という方針を取る事もありますが、歯の配列スペースが大きく不足している場合は、抜歯を併用する事もあります。抜歯する歯はというと、歯の長持ちに関して重要な役割をもっている犬歯を抜く事は少ないです。その1つ後ろの第一小臼歯と呼ばれる歯を抜歯します。
八重歯単体の矯正治療は他の歯並びと比較して、治療期間は短い傾向にります。これは、犬歯の頭の部分が歯列からはみ出していても、根っこの位置は悪くない可能性が高いからです。矯正治療は根っこを移動する量が多ければ多いほど、治療期間もかかり難易度も上がります。ですから、頭の部分のみ後ろに動かせば良い八重歯を治す事は比較的容易という事になるのです。このような治療は簡単な傾斜移動が中心になりますので、マウスピース型矯正装置【インビザライン】などにも向いているケースになります。
治療期間も短期間で終わり、見た目も長持ちも変わってくる八重歯の矯正治療、ちょっと愛着があっても矯正治療をする価値は十分あると考えます。