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歯の動きは1ヶ月で最大0.5mmほど

■まきの歯列矯正クリニック 院長 牧野正志

歯根の動く量は月0.5mm

矯正治療による歯根部で計測した歯の動きの量は最大で0.5mm程度です。

先週、矯正装置を作成中にうっかりワイヤーを指に刺してしまいました。それが一週間たってようやく治りました。モイストヒーリングの絆創膏を貼った傷口は跡にならずにキレイに治りました。自然治癒力がある滲出液の働きが阻害されないので早く治るというわけです。体の組織は傷つけられると必ず炎症反応を起こし、色んな細胞が集まり傷が治ります。この現象が矯正歯科治療を行っている歯にも起きています。

炎症反応で歯は動く

ヒトの歯には根っこ(歯根)があり、歯茎の中の歯槽骨とよばれるアゴ骨に埋まっています。そして、歯に矯正力がかかると、歯根部分が歯槽骨とに押し付けられ、炎症反応が起こります。そして進もうとする方向の骨が溶け、反対の方向に骨ができ、結果的に歯根は前に進んでいくのです。矯正治療は炎症反応だから歯が動く時は最初は痛いんですよね。

この反応は時間がかかります。3-4週間かけて、ワンクールの反応が完了します。このワンクールで歯根の部分は最大0.5mm程度くらいしか動きません。う〜ん少ない・・・!?でも、どんな矯正治療の方法もこんなものです。しかもすべての歯を一気に動かせるわけではありません。アンカー(固定源)という考え方があり、歯列がバラバラにならないよう毎回1、2歯づつ動かしていくのです。

このスピードだと痛みが強く出たりする事は少ないため、生体に適切なスピードと言えます。強い力をかけすぎると、歯根部が耐えられなくなり、「歯根吸収」といって根っこがダメージを受けてしまいます。

マウスピース型矯正装置【インビザライン・薬機法適応外では、1つのアライナー(約1週間)で.25mm歯冠(歯の頭の部分)が動く量が設定されています。そうすると、4週間で最大1mmほど歯を動かすシステムになっています。

<マウスピース型装置の1か月の変化>

「あれ!?1か月で0.5mmではないのか?」という意見があると思いますが、実際は、この1mmの移動は歯冠といって歯の頭の部分の移動の話になります。歯根部は、結局0.5mmも動いていなかったりするわけです。

歯根を動かすのには時間がかかる

私たちは、レントゲンを取らない限り、歯茎の中にある歯根を見る事ができません。ですから、歯冠の部分で移動量を計算します。歯冠の部分は動いていても、歯根はほとんど動いていないという事も結構あります。歯根の表面積や形にも、歯の移動量は影響を受けます。一般的には、場合によって4根ある下の6歳臼歯が動くスピードが一番遅いと言われています。下の奥歯を動かさなくてはいけない治療はゆっくり進むので、患者さんには我慢が必要になります。

<4mmの奥歯の隙間と閉じるのに3年!>
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