正中線は歯並びのバロメーター
上の歯並びの正中線がズレている場合は、矯正治療を行い揃えるとお顔の印象が良くなります。
日々の最大限のパフォーマンスで診療を行うためには、トレーニングは大切です。私も矯正歯科の患者さんには生活習慣を指導する立場ですが、パーソナルトレーニングを受けています。歯科医師はみんなそうなんですが、いつも決まった姿勢で診療するため、左右のバランスが悪い傾向にあるため、補正する必要があるので。基質的な問題で体の姿勢を完全に左右対称にするのは難しいのですが、できるだけ近づける事は大切であると言えます。
歯並びが左右対称かのポイントは正中線
ヒトは脳の機能上、左右対称の物を好みます。対称ではないという事は動物の場合は遺伝子的に何か問題があるのではないかと考える「良遺伝子説」という研究報告があります。歯並びも非対称だと、何か違和感を感じる事があります。
顎の形も歯の位置も左右対称に近い方が理想的なのは当たり前ですが、現実的には完全に対称な方はいません。これを、「より対称にみせるように持っていく」のが矯正歯科治療になります。ここでのキーポイントが上下の正中線の一致です。左右前歯の真ん中の隙間のラインです。やはり前から見た際に目につくは正中線なのです。
正中線が合わない理由
矯正治療をしていない状態でピッタシ上下が一致しているヒトは中々いません。わずかでもズレる理由には以下のように様々な理由があります。
1.乱杭の量が左右で異なる(八重歯が右だけにあるなど)
2.欠損歯があったり、矮小歯と呼ばれるような大きさの小さい歯がある
3.下アゴの形が非対称で左右にどちらかに偏位している
この中で、歯の形や数(2)や、骨格の形の問題(3)は、キレイに正中線を合わせる事は難しいと言えます。矯正治療できれいに正中線を合わせるには、歯列の基になる骨格や歯の形が左右対称性が大事です。また、矯正歯科治療で一時的に上下の正中線を揃えても、長期的には、普段の噛み癖などでわずかにズレてきてしまいます。では、正中線はどのような状況であれば治療をした方が良いのでしょうか?
正中線のズレは治した方が良い?
正中線がどれくらいずれていると治した方が良いのかというと、このような調査があります。その結果は、下の歯並びの正中は上の歯並びの正中線から3mmぐらいズレていても、あまり目立たないという結果でした。ただし、上の歯並びの正中線はお顔の正中線からズレていると少しでもかなり目立ちます。
矯正治療ではできるだけ顔の正中線に上下歯並びの正中を合わせていきます。特に上の歯並びの正中がズレている方は矯正治療をすると顔の印象が変わります。