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上手い矯正歯科医院とは?

■まきの歯列矯正クリニック 院長 牧野正志

私たちは何か医療を受ける際は、「できるだけ上手なところで受けたい」と思うものです。とはいっても、実際何件もの医院に相談に行けるわけではないので、資格の有無で確認したり、同じ治療を受けた事がある知人に聞いてみたり、ネットの口コミを読む事で「治療の質」を予想します。そしてある程度、相談にいく場所を絞っていきます。
ですが、実際治療が終わってみないと治療の質というのは判断する事はできません。

矯正治療の質は3つで決まる

当院では、この治療の質に関しては以下の順で重要と考えております。

1.担当歯科医師の診断力
2.歯科衛生士のコミュニケーション力
3.治療完了症例数

この中に口コミというのは入っていません。インターネットの口コミなどは、一部の感想です。患者さんの感情が強く入っていますので、偏った意見になりやすく、あまり参考にはなりません。

担当歯科医師の診断力

診断とは、歯科医師が症状を調べて的確に把握する事です。医療においては、診断が一番大事であり、間違った診断の下で治療計画を立てても治りません。診断力は、大学病院の矯正科や専門機関で3年以上ロジカルに考えるトレーニングして習得するのが一般的です。この点は院長の経歴などを見る事で大体は分かるかと思います。

この診断は、毎回の通院時も患者さんの口の中を診て行います。矯正歯科医師はワイヤーを細かく調整する技術職的なイメージですが、この診断力が不十分の場合は、毎回その場しのぎの治療計画になり、正しいゴールには向かえなくなってしまう事があります。

歯科衛生士のコミュニケーション力

診療に入る前の問診や矯正装置の使用方法の説明などは、歯科衛生士が担当する事が多いです。また、治療中に矯正装置のトラブルなどがあった時などにお電話やメールの対応も行います。歯科衛生士は診断を行う事はできませんが、歯科医師と患者さんの橋渡しをするコーディネーターの仕事を行います。ですから、歯科衛生士も、基本的な歯科矯正学を知っており、患者さんごとの治療計画もしっかり把握しておかなくてはなりません。常勤の歯科衛生士は複数名いる医院の場合は、院内でも勉強会をしている事が多く勉強熱心です。

矯正歯科治療は2年近くはかかる事があります。その間、患者さんには日常生活で様々な不安やトラブルもあると思います。この部分を上手に聞き取り、解決できるかが、矯正治療がスムーズに行くかに一番関係してきます。ですから歯科衛生士のコミュニケーション能力はとても大切なのです。「快適な矯正治療ライフが送れるか」も大事な治療の質です。

治療完了症例数

どれだけ担当歯科医師が矯正治療を行ってきたか?というのは大事です。誰だって、10人より1000人治療したという先生に診てもらいたいはずです。その点において治療経験数は大事になってきます。多くの症例経験をすると、奇跡的によく治ったレアケースや、どうしても治らないリカバリーケースに遭遇します。こういった治療経験が、毎回の患者さんの診断と治療計画立案の際に、過去のフラッシュバックとして担当医の頭に浮かんできます。こうして、より深みのある治療計画を立てる事ができるようになるのです。

ここで注意しなくてはならないのは、治療開始症例数ではなく治療完了症例数です。企業から受賞したりする「〜ドクター」という盾やトロフィーはあくまで治療開始症例数の証明である事が多いです。多くの患者さんが通院している事は間違いありませんが、多くの患者さんが治っている事を証明しているわけではありません。逆に学会の専門医などは治療完了症例数になるのでこちらの方が治療の質としては信頼性は高いです。また、定期的に学会にて症例発表したり、勉強会を開催している先生も、治療完了症例を多く持っている傾向にあります。

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