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受け口で外科矯正をするかの判断

こんにちは。千葉県八千代市の「まきの歯列矯正クリニック」院長の牧野です。

今回は、「反対咬合は、切端咬合位が取れる場合は外科矯正治療を回避できる可能性がある」という内容です。

 

 

成人の矯正歯科治療は主に歯とその周りの歯茎の位置・形を変化します。これにより口唇を中心とした口元の前後的なバランスは多少変化させる事ができますが、顔の輪郭の治療を改善は難しいです。

 

 

受け口(反対咬合)の患者さんが矯正治療を行おうと初診相談に来られた場合、主訴が「受け口」ではなく「下アゴが出ている」という場合、矯正歯科治療単独では改善する事ができません。この場合は、外科矯正治療を提案する事になります。

 

 

外科矯正治療は、普通のワイヤー矯正治療も行うのですが、途中で骨格の手術を併用します。手術は総合病院や大学病院で全身麻酔下で行い、2−3週間の入院が必要になります。手術内容は、顎と意図的に骨折させ、理想的な位置で再度止め治す形です。1年後に留め具であるボルトを外しますので、手術は2回必要になります。顎変形症取り扱い医療期間であれば、ワイヤー矯正の部分に関しては矯正歯科クリニックでも行う事ができます(当院は現在行なっておりません)。

 

 

外科矯正のメリットは骨格を含めた根本的な改善治療を行う事ができるという点と、「顎変形症」という診断名がつき健康保険の適応がされるため、一般矯正治療よりやや治療費が安くなる点にあります。

 

 

デメリットとしては、やはり手術がある事です。まず、社会人の方は通院が大変です。総合病院での術前の検査や入院など全て平日に行わなくてはなりません。まず、会社を長期間、休みが取れるかがポイントです。一応、健康保険が適応なので、美容治療ではなく疾患治療という事を会社に理解してもらわなくてはなりません。そして、全身麻酔下の手術は絶対安全とも言い切れませんし、患者さんの心理的な不安も強いと思います。

 

 

私自身が大学の医局員時代、患者さんの実にに50%近くは受け口(反対咬合)でした。やはり、初診相談では、「なんとか手術は回避できないか」と親御さんからも相談を受ける事も多々あります。実際、現在はアンカースクリューなどを用いる事で矯正治療単独でも満足いくレベルの改善が得られるケースもあります。

 

 

反対咬合の多くは上顎より下顎が大きく前方に突出した下顎前突という症状も併発しています。この上下顎のバランスの違いが軽度なほど、手術を回避できる可能性が増えます。患者さんが、鏡を見て自分ですぐ判断できる簡単な基準がありますので説明します。

 

 

受け口の程度を判定

 

 

切端咬合位は取れるか

「切端咬合」といって、一度口をあけてもらい奥歯は噛まずに浮いたままで良いので、「上下の前歯の先を合わせる事ができるか」というのが症状を判断するポイントです。切端咬合位を取れる場合は、上下顎のバランスの違いが軽度であり、矯正治療単独で反対咬合を改善できる可能性が高まります。

 

 

なぜ、そのような事が言えるかというと、切端咬合ができる方は、口を閉じるとと前歯が噛む時にぶつかるために、わざと下顎を前に出して前噛みしている状態なのです。ですから、上下の前歯の動かすと、下顎が前に出さなくても噛めるようになり、前歯の反対咬合が改善するのです。これは子供でも大人でも一緒です。

 

 

切端咬合・反対咬合

切端咬合

 

通常は、下の前歯を内側に引っ込める矯正治療を行います。成人では前から数えて4番目の第一小臼歯という歯を抜歯するか、親知らずを抜歯して、できたスペースに下の歯並びを引っ込めます。小学生低学年のお子さんには小児用トレーナー装置【プレオルソ】を使用します。下の前歯が後ろに下がると、骨格は変わらないのですが、下唇は後ろに引っ込み、横顔のバランスは多少変化します。

 

 

この切端咬合位ができても、一部矯正治療単独では治療が難しいケースもあります。

・下顎が横にズレており左右の非対称がある場合

・オトガイ部が異常に前方突出している場合

 

外科矯正治療 非対称

下顎が左にズレているため矯正治療単独では難しい反対咬合例

 

▶︎反対咬合ケースはこちらを参考に

 

 

 

 

 

ここで

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