【緊急事態宣言中】のマウスピース型矯正治療
首都圏で緊急事態宣言が出されてから不要不急の外出自粛が続いております。今回は、このような中でのマウスピース型矯正装置【インビザライン・薬機法対象外】で矯正治療を受けている方の対応方法についてご説明します。
※マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置は完成物薬機法対象外の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象とはならない可能性があります。
目次
とにかく通院回数を減らす事
新型コロナウィルス感染のリスクを減らすためには、人の移動を減らすしかありません。これは、矯正治療で歯科医院に通院する事も当てはまります。ですが、この状態がどれくらい続くかわからない中で、患者さんの治療が何か月も進まないのは、治療受けている患者さんにとっては大きなストレスになります。
ですから、治療のスピードを落としてでも前に進める状態にしておかなくてはなりません。この点においては、ご自身でアライナーを交換しながら治療を進めていくマウスピース型矯正装置【インビザライン】治療は非常に有利という事が言えます。
どのくらい通院は延期できる?
極論マウスピース型矯正装置【インビザライン・薬機法対象外】治療は、コンプライアンスが守られているのであれば、マウスピースがなくなる最終ステージまで通院は延期する事ができます。多くの医院では初回に全てのマウスピースを患者さんにお渡し済みである事も多いと思いますので、こちらは問題なく使用する事が可能です。もし足りない場合は、郵送で対処します。
ただし、途中で歯にヤスリをかけるストリッピング(IPR)がある場合は、あらかじめ予定を前倒しして行なっておく必要があります。小臼歯抜歯のケースの場合は、歯の移動量が大きく、途中でアンフィットを起こしやすいため、適度なタイミングで担当医の確認が必要になります。当院では、これらを考慮して一時的に3か月ごとの通院で可能なように治療計画を調整します。
追加アライナーのシンプル化
マウスピース型矯正装置【インビザライン・薬機法対象外】には必ず追加アライナーといって、初回に注文したマウスピースに、続きのマウスピースを作成する必要があります。通常は、以前の歯についているアタッチメントを撤去して、新しい治療計画に沿って位置に付け直しを行います。
ですが、緊急事態宣言中は、処置時間の短縮と通院回数を減らすために、可能な限りはアタッチメントの付け直しは行わず、以前のものをそのまま使用します。その後出来上がった追加アライナーは医院からご自宅で郵送させていただき対処する形とします(来院が必要な場合もあります)。治療後のクリアリテーナーのお渡しや顎間ゴム・チューイが不足した場合なども郵送で対応が可能です。
治療の疑問点はチャットで解決
「アタッチメントやエラスティックをかけるボタンが外れた」「新しいマウスピースが上手く入らない」「突然歯が痛くなった」「歯が欠けた」など、突然のトラブルがマウスピース型矯正装置【インビザライン・薬機法対象外】治療中に1回くらいはあります。
「外出制限中で、できる事なら通院したくない」といった場合は、口の中の現状写真をE-mailやLINEなどで送っていただく事で、ご自身できる応急処置をご指示させていただける場合があります。当院では、緊急的内容は全て歯科医師が確認して短時間でご返信いたします。また、マウスピース型矯正装置【インビザライン】は、歯の動きのシミュレーション動画を事前にお送りすしますので、自分の矯正治療の進行状況はすぐに確認する事ができます。
アライナーの着脱の注意
唾液がついているアライナーの着脱は手で行う際に注意が必要です。
外出時は手を洗ってから着脱
新型コロナウィルスは、主に目・鼻・口から感染します。外出時に、アライナーを外す場合は一度手を洗うなどをしてから行う方が安全です。「アライナーを触る時は、なるべく清潔な手で」と心がけましょう。
来院時は院内感染をさせないよう注意
残念ながら、歯科医療関係者が、様々な業種の中で新型コロナウィルスの感染リスクが高いとされています。医院の感染予防対策として、患者さんには院内で必ずアライナーを自分で着脱しないようにしていただく必要があります。
患者さんが自分で外した際に指についた唾液にウィルスが含まれていたとしたら、、、、診療台・受付のテーブル・待合室など全てに付着する可能性が出てくるからです。また、できるだけ感染物質が飛沫する可能性があるクリーニングは行わない方針ですので、来院前はよく歯磨きをしていただく事も大切です。
アライナーを使用できる良い機会と思って
在宅時はアライナーをしっかり使えるチャンスです。どうしても外出時は、食事後にすぐアライナーを装着する事ができず、使用時間が少なくなる事もあると思います。それが、家にいればずっと装着する事ができます。つまり、今まで以上に治療が順調に進むという事です。これは、歯にかけるエラスティック(顎間ゴム)も同様です。
今まで、アライナーの使用が少しルーズになってしまっていた患者さんも、この機会をポジティブに捉えて、使用時間を増やしていきましょう。逆に治療期間を短くする事ができるかもしれません。最近では、新型コロナによる自粛中に矯正治療を進めておきたい考える方が増えてきています。