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噛み合わせを治す事で肩こりは本当に治るのか?

■まきの歯列矯正クリニック 院長 牧野正志

肩こりは矯正治療で噛み合わせを治す事で軽減した事例はありますが、副次的な効果であって、狙って治す事はできません。

肩こりに悩まされる日本人

肩こりで悩んでいる日本人は、非常に多いです。H28の国民生活基礎調査の【自覚症状の状況】でも、「肩こり」が女性では1位、男性では「腰痛」についで2位と非常に多い症状です。まさに現代病です。矯正歯科にも噛み合わせを治す事で肩こりを軽減したいと相談される方も、時々いらっしゃいます。

<国民生活基礎調査より>

心疾患やヘルニアなどの病気が原因である場合を除いて、肩こりの一番の要因は筋肉性疲労です。現代人は、ずっと体に負担がかかる姿勢で、精神的にもストレスフルな状態で仕事をしている方も多いのではないでしょうか。このような状態を続けていると、筋肉が過緊張な状態が続き疲労してくため、肩こりが悪化していくと言えます。

<デスクワークの方に肩こりは多い>

食いしばりは肩こりの一つ要因

<最大100kgに及ぶクレンチングの力>

人はストレスがたまってくると、食いしばりをします。重い荷物を持ち上げる時に力を入れる時だけでなく、精神的に追い詰められた時も歯を噛み締めます。これは、歯科専門用語でクレンチングと呼び、歯ぎしりの一種になります。

実はこの食いしばりの際、咀嚼筋という顎のまわりの筋肉だけでなく、胸鎖乳突菌や僧帽筋など肩と繋がっている筋肉も使用して行います。ですから、食いしばりを行うと肩の筋肉まで過緊張になるのです。つまり、食いしばりが原因で起こる肩こりの症状改善に関しては、ストレスコントロールが一番の緩和方法という事になります。

噛み合わせが悪いと食いしばりの影響を受けやすい

開咬・受け口・交叉咬合などの歯並びは、上下の歯並びが部分的にしか噛み合っていません。これらのケースは、左右にギリギリとグラインディングという横滑りの咀嚼運動ができないため、よりクレンチングによる食いしばりが起こしやすいです。これにより結果的に筋肉が疲労してしまい、肩こりの原因なる事があります。また、左右で噛み方が異なるため、片側のみに大きな負担がかかり、筋肉に負担がかかる事もあります。

くいしばり・バランスの悪い歯並び
<肩こりを起こしやすい歯並び>

矯正治療で肩こりが治るか?

上記のような歯並びを矯正治療で改善する事で、肩こりの要因を減らす事は可能です。ですが、食いしばりの回数やバランスの良い噛み方は、患者さんがそれぞれ練習して習得していただく必要があります。矯正治療をすれば、自動的によく噛めるわけではないのです。

そして、噛み合わせはあくまで肩こりの要因の一つでしかないため、矯正治療を行なっても、ほとん変化がない事もあります。ですから、肩こりには噛み合わせより、普段の姿勢などの方を先に気をつけていただく事の方が重要と考えます。

矯正治療で肩こりが治った事例・悪化した事例も

矯正治療というストレス
<矯正治療というストレスからの開放>

それでも、矯正治療を終えた後、肩こりだけでなく全身の体調が良くなる方もいらっしゃいます。これは、矯正治療を終える事ができた満足感からストレスが減り、体調が良くなったという可能性も否定できません。このような患者さんは、矯正治療に対してとてもポジティブな感想を持っています。

という事は、逆の事例もあり、矯正治療のストレスにより悪化した方もいらっしゃるという事です。「辛い治療の割には」といった意見もあるという事です。

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