治療後のメンテナンスに通っていれば後戻りしないのか?
矯正治療後にはメンテナンス(保定)通院があります。当院では、治療後から1か月目、3か月目、6か月目、1年目、1年6か月目、2年目という感じで合計6回通院していただきます。とは言っても、最初の2回はだいたい必ず通院していただけるのですが、その後は連絡をしても音信不通になってしまう事も結構あります。そして、患者さんから久しぶりに連絡があり、2年ぶりに診させていただくと、既に歯並びが結構後戻りした後という事も…
では、「しっかりメンテナンスの通院を行っていたら歯並びは後戻りしなかったのか?」というと、残念ながらそういうわけではありません。
メンテナンスで通院しても後戻りはする!
これを聞くと、ショックかもしれませんが、治療後のメンテナンスを通院していても、矯正の後戻りは発生します。患者さんは、メンテナンスで来て矯正医が後戻りしない特別な処置を毎回施してくれていると考えているかもしれませんが、そんな処置は存在しません。
メンテナンス通院時に主に担当医が行う事は以下になります。
1.固定式・取り外し式リテーナーの装着状態の確認
2.リテーナー使用のモチベーションの確認
3.後戻りする要因を排除するアドバイス
極論、リテーナーは規定通り使用しており、後戻り予防に必要な事もしっかり行っていただければ、通院有無とは関係なく治療後の予後は変わらないのです。
治療後2年間1度も来院しなかった患者さんが、ほとんど治療後の歯並びのままキープできていた事もあります。逆にしっかり規定通り通院していても、取り外し式のリテーナーを使っていなかったり、もともとの舌の位置やお口の筋肉バランスが悪い患者さんは、みるみる後戻りしていってしまった例もあります。
メンテナンスで通院する意味
メンテナンスで通院する意味は当院では次のように考えています。矯正治療後にしっかりリテーナーを使用しても、時間と共に歯並びは少しづつ動いていきます。そして、しばらく経ってから鏡で見て、患者さんは歯並びがズレてきている事に気がつくます。
ですが、多少歯並びが時間と共に変わってくるのは生理現象として仕方がない事です。治療後の状態でずっと維持する事は、現実的には不可能になってきます。この歯並びの微妙な最初の方の変化は患者さんは発見する事ができません。これを担当医に見つけてもらい、問題があるのかを判断してもらうというのが通院の意味になります。その上で、目立つ前歯のデコボコの再発や、成長によるかみ合わせの著しい変化などがある場合は、再矯正治療も考えます。リテーナーを装着しているだけで、歯並びが良くなるわけではありませんので、このような事例に対しては積極的に再矯正治療を提案します。
※当院で治療を行った方の2年以内の再治療は処置料(¥4,400/回)のみで治療を行えます。
また、前歯の裏側にフィックスなど固定式のリテーナーが装着されている方で、歯から頻繁に外れる方もいます。このような方はメンテナンスは頻繁に通って確認をした方が良いと考えます。もちろん、取り外し式のリテーナーがサボりがちになっている場合は、モチベーションを上げてもらう事もメンテナンスの大事な意味です。