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マウスピース型矯正がダメならハーフリンガル矯正

■まきの歯列矯正クリニック 院長 牧野正志

インビザライン  検索数

マウスピース型矯正インビザラインが難しい症例には、ハーフリンガルで対処する事がベターです。

初診相談で、矯正装置の種類の説明をするのですが、最近の成人患者さんの希望は、ほぼマウスピース矯正【インビザライン 】です。今、ウェブでの検索ワードのボリュームとしても裏側矯正のほぼ2倍です。それだけ取り外しができる見えずらいマウスピースによる快適な治療への興味が高いという事です。

様々な歯科医院の矯正治療情報サイトの内容も圧倒的にインビザラインです。多くの治療メリットが載っています。ですが、非適応症についてどうするかは、詳しくは書かれていない事が多いです。

マウスピース型矯正の非適応症

残念ながら、全ての方がインビザライン治療の対象ではありません。間違えなく非適応症はあります。代表的な苦手な歯並びは、上顎前突と過蓋咬合の併発です。これは、上の前歯が前に出ていて、下の前歯が上の歯茎を噛むぐらい深咬みになっている状態の事です。

インビザラインの非適応症

患者さんが自分で判断する場合に、難しいところは、このような状態でも全てが非適応症であるわけではない事です。

・下の歯に叢生とよばれる強いデコボコがある
・ロングフェイスと呼ばれ骨格が面長タイプである

などがあれば、インビザライン治療の適応症であったりします。

適応症の分類の確認については、実際に初診相談で口の中を審査する事でお答えする事ができます。当院は、今までの多くの症例経験から、適応症でないパターンも把握しています。ここで問題になるのは「非適応症の場合はどうするか?」です。

非適応症にはハーフリンガル

インビザライン希望の患者さんの多くは、やはり治療中に矯正装置が目立たない事を希望しています。ですから、いくら白いワイヤーなどを使用しても見える表側のワイヤー装置には強い抵抗がある事が多いです。

せっかく、「長年気になっていた歯並びを治そう!」と決めてきたのに目立たない装置で治療できないとなると、一気にモチベーションも下がります。そこで代替手段として裏側矯正【ハーフリンガル】が出てくるのです。

多くの非適応症は、上に書いた「上顎前突・過蓋咬合」です。この理由としては、前歯の歯根の移動量が大きいからです。「歯根」というのは歯茎に埋まっている歯の根っこの部分の事です。まわりは歯槽骨とよばれるアゴ骨に囲まれていますから1mm動かすだけでも一苦労です。ですからデコボコがかなり多く、見た目が悪い歯並びの方が、実は歯根の移動量が少なく、治療期間も短く、簡単である事もあるのです。

このケース、上下裏側装置で治療を行うフルリンガル治療も補助ワイヤーがないと難しいケースになります。ですから上だけ裏側装置・下は表側装置というハーフリンガルが唯一、確実な治療方法という事になるのです。

このハーフリンガル、一見中途半端のように見えて、実は効果絶大です。上の歯だけ裏側装置にする方法で、下の歯並びは通常の白い表側の装置です。

まず見た目ですが、通常は笑った時に下の歯はあまり見えないので、下の歯は表側矯正でも想像以上に目立ちません。特に上の歯が出ている「出っ歯」の人は目立ちません。これだけでも矯正治療をしている事に気がつかれなかったという方の方がほとんどです。出っ歯で深咬みの方は、もともと前から見ても下の前歯はほとんど見えません。ですから上のみ裏側装置の治療で十分なのです。

次に違和感ですが、実は、裏側矯正装置というのは下の奥歯の装置が、最初は気持ち悪さや発音への影響が大きいです。ですから、下が表側であるハーフリンガルは治療中も快適に過ごせます。会話もしやすいです。

両方取り扱っている歯科医院は少ない

インビザライン・ハーフリンガル

インビザラインを多く行なっている医院は非適応症を良くわかっています。この場合、患者さんが強い治療希望を示しても、「非適応症には治療をしない」というスタンスが多いようです。そこにハーフリンガル治療ができる医院の価値があると言えます。

当院はインビザライン矯正治療だけでなくハーフリンガル矯正治療も得意という希少な矯正専門クリニックです。

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