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矯正歯科医院への不信感の事例

■まきの歯列矯正クリニック 院長 牧野正志

矯正歯科治療は、他の一般歯科治療と比較すると治療結果に対して患者さんの満足度は比較的高い治療になります。ですが、一定数は患者さんから不満が発生し、歯科医院への不信感につながる事もあります。
この原因には、治療方法や治療結果、そして費用や契約についてまで様々あります。総じて、患者さんと医院とのコミュニケーション不足というのが一番の原因である事が多いと言えます。

担当医と話せなくてモヤモヤする

矯正治療は一般歯科治療とは異なり専門性がかなり高い治療になります。そして、患者さんは立地や設備で歯科医院を選ぶのではなく、担当医との相性で選択する傾向が高いです。ですが、矯正歯科の口コミあるあるとしては、「治療が開始するまでは丁寧に説明をしてくれたのに、治療が開始すると院長とはほとんど話せない」といったコミニュケーションの内容がほとんどです。

何件も回って、やっと相性の合う良い先生に会えたのに治療開始後はほとんど説明を受けられないとなると、不信感が出てきてしまいます。さらに、一般歯科医院で月数回しかの矯正医の診察がない医院の場合は、矯正日は忙しく最初から担当医とほとんど話ができないという事もあります。

患者さんの中には現状どのような状態かを、担当医から常に細かく説明を受けたいと希望される方もいます。このような方は「説明が足りない」と感じやすい傾向にあります。

毎回の説明時間が少なくなっていく構造

矯正治療の一つ一つの処置時間が時間がかかります。同時に何人か並列で診察していきますので、1人の担当医が予約時間の最初から最後まで診る事はできません。ですから、他の歯科医師や歯科衛生士と分担して処置を行っていきます。また、処置中は患者さんは口を開けたままになるので、当然質問もする事ができません。必ず処置とは別に説明の時間を取らなくてはなりません。

そうすると、処置時間が予想以上に長くなってしまうと、担当医が最後に説明ができず終わってしまうなんて事も発生してきます。さらに医院の混雑から時間に遅れて診察が始まった場合、「時間も待たされたのに、聞きたい事も聞けなかった」と、患者さんの不満は爆発します。

そもそも患者さんにとって矯正治療はわからない事だらけです。治療も長期にわたります。「治療が順調なのか」、「次の通院はどんな事をするのか」などをしっかり聞いておきたいと考えるのは普通です。処置の特性からグループ診療になりやすい矯正歯科診療はどうしても説明が不足しやすくなりやすい構造と言えます。

<予想外に診療処置時間が伸びてしまう事もあります>

じっくりコミュニケーションを取りたい方は

流行っている矯正歯科医院ほど、担当医ましてや院長と話ができる時間は短くなっていきます。当院でも、できるだけ診療室と受付で、診療の最初と最後は必ず歯科医師が治療説明を行うようにしていますが、残念ながら「足りない」と感じている患者さんもいらっしゃるかもしれません。
では、どうすれば担当医とじっくりコミュニケーションを取れるのでしょうか。以下にまとめてみました。

聞きたい内容をまとめから診察を受ける

いざ、診療台に座って歯科医師を目の前にすると、緊張して質問ができない方もいます。治療に関する専門的な内容の場合は、上手く内容をまとめて話す事は患者さんにとって意外と難しいです。このような場合は、事前に聞きたい内容をメモ用紙にまとめておくのが良いです。

また、人は忘れる動物です。2,3週間すると痛みがあった事も忘れてしまいます。心配性の方は、次の診療日まで気になった事があればその都度、記録を取っておく事をお勧めします。

当院の患者さんの中には、診療日に事前に質問内容をLINEなどで送って下さる方もいます。医院側としても、これは助かります。

矯正専門歯科衛生士に質問する

担当医のかわりに質問事項をまとめてくれたり、矯正治療生活のアドバイスをしてくれるコーディネーターがいる場合は、とても便利です。この役割を担うのが矯正専門歯科衛生士です。治療方針以外の内容については、場合よっては担当の歯科衛生士に聞いた方が、歯科医師よりわかりやすい言葉で説明してくれます。

歯科衛生士は、歯科助手と異なり歯科に対する豊富な知識を持っている国家資格です。矯正歯科については卒後も矯正専門医院でしっかり勉強する必要があります。矯正専門歯科衛生士は、フリーランスの方もいますが、通常は矯正専門歯科医院にしかいません。この点で、矯正専門医院で治療を受ける方が安心です。

<矯正専門歯科衛生士>

混雑する時間帯で診察を受けない

矯正歯科にはラッシュアワーの時間があります。平日午後や土日などは多くの患者さんが通院します。この時間帯診察を受ける場合は細かい質問をすることは難しいです。しっかりと担当医とコミュニケーションを取りたい場合は、平日昼間の通院の方が断然有利です。平日お仕事をされている方で、どうしても担当医から詳しく説明を受けたい場合は、一度お休みを取って平日の昼間に受診される事をお勧めします。

新規開業したばかりの医院で治療を受ける

当然ですが、新規開業して2年以内の医院では、まだ患者さんの予約が埋まっておらず、担当医とじっくりお話しができます。特に新規の矯正専門医院の場合は一般歯科治療患者さんもいないため1〜2年は担当医の先生を独占できます。
治療実績は少なくなりますが、コミュニケーションの量を優先したい方は、こういった新しい矯正専門医院で矯正治療を受けると良いかもしれません。

電話での相談は避けた方が望ましい

治療内容について医院に電話をして聞くのは、うまくいかない事が多いため避けた方が良いです。その理由は以下になります。

・担当医が他の患者さんを診察中は電話に出られない
・実際、口の中を診察できないので確定的な話ができない
・受付の方が矯正歯科の専門的知識を持ち合わせていない事がある
・長時間の電話は、他の通院中の患者さんの迷惑になる事がある

治療内容や方針について医院に確認したい場合は、メールやLINEなどを使用し、後日回答を担当医からもらう方が確実です。
医院によって異なりますが、自分の受ける矯正歯科治療について細かな説明資料をもらえる方が安心はできます。その他、困った事があれば医院のホームページにある質問集を見る事で、わざわざ電話をしなくても自己対処する事ができます。

<受付と電話対応は同時にできません>

矯正の医院選びは矯正医で選ばない方がベター

とはいっても、矯正治療は治療を受けてみないと、「自分に合った歯科医院か?」はわからない事が難しいところです。やはり、治療が始まってから不信感を患者さんが持つケースは一定数出てきてしまいます。結局これは、患者さんと歯科医院がミスマッチであったという事になります。

「治療が上手な先生がいるから」「有名な先生がいるから」という理由で、矯正を受ける歯科医院を選択すると、後でその先生とはほとんどお話ができずに後悔してしまうというケースが出ます。
矯正歯科医院を決める時は、矯正医ではなく、他のスタッフも含めた医院の雰囲気で選んだ方が間違いないと考えます。

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