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癒合歯(ゆごうし)がある場合の矯正治療

2つの歯がくっついて一つの大きな歯になっていことを、癒合歯(ゆごうし)と言います。矯正治療では前歯をきれいに並べる事が難しくなります。

癒合歯とは

癒合歯とはその名の通り、2つの歯が癒合してくっついてしまっている状態です。患者さんも気が付いていない事もあります。デンタルフロスが奥まで入るかで癒合しているか判断する事ができます。永久歯の癒合歯の出現率は1%以下になります。部位として圧倒的に頻度が高いのは、下の前から2番目と3番目の歯の癒合です。欧米人と比較して歯並びが窮屈ででこぼこが多い日本人の方が発生頻度は高いようです。原因は不明ですが、遺伝性の要因も多少あるようです。

乳歯の癒合歯は3%程度と割と多く見られますが、こちらはいつか抜けてしまうためすぐには問題になりません。その後の永久歯も癒合しているという事は少なく、先天性欠如といって歯の種がない可能性の方が高くなります。

癒合歯の種類

癒合歯は2つの歯がくっついて、大体1.5本分の歯のサイズになります。巨大歯(双生歯)と言うような大きい一つの歯に見えるものから、一見すると2つ歯が並んでいいるようでよく見るとつながっているものまであります。歯根の部分は2つに分かれている事もありますが、中の神経血管はほとんどの場合はつながっているため、分断することはできません。癒着歯といって見える歯の部分は離れているのですが歯根の部分のみくっついている事もマレにあります。

<癒合歯は神経血管も癒合>

矯正治療における問題点

歯の本数が癒合歯がある部分のみ0.5本分少なくなります。これが治療計画を立てる上で非常に悩まされます。普通、矯正治療では歯の本数を上下左右対称にする事で正中線をあわせたり、噛み合わせを整えたりします。ですが、癒合歯がある場合は1.5本と中途半端になってしまうため、きちんと歯の数を合わせることが難しくなるためです。当然、歯2本分減らす事はできないため矯正治療で癒合歯を抜歯する事はありません。

<永久歯の癒合歯の例>

また、きれいに横並びで癒合することもありますが、捻れたまま2つの歯が癒合することもあります。この場合は、きれいに並べる事は困難になり、どちらかの歯は歯列から逸脱したまま終わる事になります。歯根の位置もズレているため、かぶせものなど審美歯科で形を調整する事も困難です。

癒合歯の残してどのように矯正治療を行うか

前述のように癒合歯は通常温存して矯正治療を行います。歯の形は変えられないため、後はどのように見た目をごまかして歯を並べるかを考えます。まず第一に考えるのは左右の歯のサイズを合わせ、どう上下の正中線をどう合わせるかになります。上下の正中線を合わせることで癒合歯がある事はわかりづらくなります。歯のサイズ合わせは、歯にヤスリをかけるストリッピングを行い癒合歯のサイズを小さくいく方法を取ります。

それでも左右の歯のサイズを合わせきる事は難しく、完璧な歯列咬合を完成させることは難しいと言えます。やはり癒合歯の矯正治療は難しく、多少妥協した歯列咬合になる事が多くなります。

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