こんにちは。まきの歯列矯正クリニック院長の牧野です。

 

矯正治療はリスクが少ない治療と言われていますが、ゼロではありません。全体的な割合としては少ないのですが、リスクゼロという医療はあり得ません。逆に、リスクがないという治療の方が情報として危険です。

 

前回は歯根吸収について説明しましたが、今回は全治療患者さんの中で1%以下というかなり少ないリスクである歯髄壊死というのを説明します。

 

矯正歯科治療・歯髄壊死

 

歯の神経が死んでしまう歯髄壊死

 

健康な歯には必ず歯髄と呼ばれる神経血管が通っています。虫歯が進行すると歯質だけでなく歯髄まで細菌の感染が起こります。その結果、炎症反応が起こり歯に痛みが走るのです。これを放置しておくと最後は、歯髄が壊死し歯茎に膿が溜まります。また、前歯の場合は歯の色も変色を起こしたりします。

 

歯髄

 

この歯髄壊死ですが、少ないのですが矯正治療によっても起きる事があります。歯根の移動量が大きい場合や、もともと虫歯で大きく治療をした歯や以前に外傷を受けて歯髄血管が弱くなっている歯の場合などに、感染がなくとも矯正治療中に神経血管が切れてしまう事があるのです。細菌感染がないため痛みを感じる事は少ない事が多いのですが、歯の色が段々黒く変色してきたり歯茎に膿が出る事により判明します。

 

矯正治療中の歯髄壊死は、矯正治療が原因なのかどうかはわかりません。ただ、年単位の治療ですので、矯正治療が原因である可能性が否定できないという事です。よく起こる部位としては上の前歯が多いです。これは前歯は奥歯と異なり歯髄が1本である事も歯髄壊死の可能性を高めています。

 

実際、治療中に歯髄壊死の可能性がある場合は、一旦矯正治療の力を弱め経過を観察します。その後、回復傾向にない場合は、一般歯科医院にて根管治療を受けていただきます。その後の歯の変色については、漂白もしくは補綴物により調整する事になります。通常はこの根管治療にかかった費用は矯正治療の保証の対象にはなりません。

 

私の経験だと500人の中で疑わしいものも含め4人いました。つまり発生率0.8%程度と言えます。治療から1年後のメンテナンス中に急に上の前歯根元の歯茎が腫れ、レントゲン写真で見ると歯根の先に膿の像が写っていたというケースもありました。そのまま根管治療を一般歯科医院に依頼し、歯の変色もありましたので漂白もしていただきました。

 

当院では診断時に必ず矯正治療のリスクを説明するようにしております。

でも矯正治療はメリット>リスクです!

 

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