顔の印象を決めるEラインとは?
Eラインに口元が乗っている状態が理想であり、上下顎前突の場合は抜歯矯正をする事で治します。
先週、六本木まで「黄金のファラオと大ピラミッド展」に子どもと行ってきました。もちろん…私の子どもはこの面白くなさと、ミイラ像の怖さに耐えられなく、即「出たい」というので、さっさと会場を後にしました(笑)。私はアメンエムポペド王の「黄金マスク」が見られたので満足です。
黄金のマスクを見た感想としては、古代エジプト人の理想的な顔にもその時代ごとのトレンドがあって、現代とは異なるのだなという事でした。黄金のマスクの顔はどちらかというとEラインから少し口元が出ているような感じで、「上下顎前突傾向」でした。ただ、その分、顎ヒゲのような部分がありそんなにバランスが悪くは感じません。
人の横顔のバランスはEラインが基準
時代によって人の横顔にもトレンドがありますが、一つの基準としてEラインのバランスが良い方が好まれる傾向があります。Eラインとは鼻先と顎の一番出たところを結んだラインです。この基準は矯正治療の分析でも使うのですが、
このEラインに口唇がちょうど乗っていると比較的バランスが良い横顔と言われています。日本人は欧米人に比べ前後的に凹凸が少ないため、Eラインのバランスから口唇が突出している傾向があります。
このEラインより口元がかなり前に出ている場合は、歯並びが少し出っ歯傾向の可能性が高いです。さらに、上の前歯が出ていて口が閉じずらく、口を閉じると下唇に下に筋肉の緊張が出ます。口が閉じずらいとからだに危険な口呼吸のリスクも上がります。つまり、バランスの取れた横顔はお口の機能も最大限に発揮できる状態でもあるのです。
前歯の位置によって口元の印象は変わる
口元の印象は前歯の位置で大きく変わります。前歯が前に出ていたらそのまま口元も前に出ます。口元の印象は、鼻先とアゴ先を結んだEラインからの前後的な距離が基準になります。
日本人は鼻が低くアゴも後ろに下がっている骨格のため、欧米人と比較して同じ前歯の位置でも少し口元が出ている印象になりやすいです。ですから、本格矯正治療も口元を下げる事を考慮すると抜歯を併用した矯正治療の割合が高いと言えます。実際、当院での成人の矯正治療の抜歯率も40%近くになります。
きれいなEラインを作るためには、下アゴのラインを緊張なくきれいに作らなくてはなりません。「口元が出ている」「口が閉じにくい」と感じる方は、前歯の歯並びは良かったとしても「上下顎前突」の可能性が高いです。これは日本人には多い傾向にあります。「上下顎前突」は抜歯を併用して矯正治療を行うのが通法です。
今は精密検査をすればパソコンソフトである程度、矯正治療後の横顔の予想図も作成する事ができます。これを見れば、治療効果がわかりやすいと思います。