コロナ禍になって、もうすぐ半年が経とうとしています。医療関係者である私達も、自院の患者さんの事もあるため外出は極力控えるようにしています。
この期間は、多くのセミナーなどがオンラインで行われる事となりました。私自身も5月から合計6回ほど症例発表者や講師として参加いたしました。オンラインの場合は、PCに向かって話すため、受講者の反応を掴む事が難しいのですが、逆に緊張もしなくても良いので、やりやすいとも感じています。距離の壁もなくなるため、参加者も会場で行うのと比較して2〜3倍の聴講者になりコロナ後もオンラインセミナーがスタンダードになるのだろうと思います。今年の世界矯正歯科学会もオンライン開催となりました。

 

 

<オンライン講演履歴>

  • 日本アライナー矯正研究会症例検討会
  • ダイヤモンドスタディクラブ
  • 矯正歯科勉強会依頼講演(大阪)
  • インビザラインマスターコース
  • インビザラインスタディクラブ

 

オンラインセミナーのテーマは、全てマウスピース型矯正装置【インビザライン】です。コロナ禍で患者さんのニーズもあり通院回数が少なくできるマウスピース型装置を取り入れていきたいという先生は、最近非常に増えているように感じます。

 

私がマウスピース型矯正装置【インビザライン】システムの導入したのは2011年でした。その後は、適応症がよく分からなかったため、すぐに患者さんに勧めず、実際は2013年にマウスピース型矯正装置【インビザライン】の初めての患者さんの治療をスタートしました。症状は簡単な前歯のデコボコのケースで、患者さんには2週間に1回マウスピースをかえてもらい30枚ちょっとで終了しました。治療期間は1年半程度でしたが、今から見返すとワイヤーの矯正治療であれば1年以内で終わるケースだったように思えます。ですが、患者さんは「治療中は目立たずとても快適だった」と話してくれたのを覚えています。

 

当時は、マウスピース型矯正治療を行っていた矯正専門の先生はわずかしかおらず、治療方法についても、仲の良い先生達と症例検討会をして決めていました。念のために患者さんには、上手くいかなった時はワイヤーの装置も使用させていただく説明もしていました。その頃の患者さんの治療経験があるからこそ、今このように他の先生に治療方法を説明できるような立場までになったと考えています。そして初めて難易度が高い抜歯を併用する治療をマウスピース型矯正装置【インビザライン】のみで完成させる事ができた時は、新しい可能性を感じる事ができました。その頃の患者さんには今でも当院で治療をしてくれた事に感謝をしています。

 

 

現在では、ある程度、治療結果を出す方法が自分なりにわかってきた気がします。つまり失敗しない治療方針を立てる自信がついてきたという事です。最近では、マウスピース型矯正は事実上の「医者飛ばし」であり、患者さんにマウスピースを渡すだけの治療で、歯科医師側だけにメリットが高い治療という情報が回っていたりします。ですが、矯正専門医としてきちっとした仕上がりを目指す者としては、ワイヤー型矯正治療よりマウスピース型矯正装置の方が治療計画を立てる事が圧倒的に難しいと感じます。

 

実はワイヤー矯正は毎回、歯の動き方を調整する事できるため、大きく治療が失敗する事はありません。一方、マウスピース型矯正装置は、最初の治療計画でほとんどのゴールが決まってしまうため、途中で調整を加える事は難しくなります。ですから、正しい治療計画の立案のためには、担当医は様々な症例みて勉強する必要があり、各治療ケースについてより考える力が必要になっているのではないかと感じます。私自信も、自分のケースだけでなく常に他の先生の治療ケースを見て、勉強するように心がけています。